「……後悔してるなら、頑張って生き延びて、その後に生き方を改めたらいいんじゃないですか? どう喚いたって、それ以外ないでしょう」
「空界の支配者」との戦いを制したカナタ達。
別行動をとっていたロズモンドと、商業都市ポロロックで合流することになり……そこでロズモンドが世話になっていた魔工士メルと出会うことに。
ポロロック、商業都市として栄えているもののその発展ぶりと比例するかのように深い闇もあって。
メルがまさにその闇に囚われかけた人物で……。
田舎からポロロックの一等地に店を出せる、という話に釣られて出て来たものの、いざ来て見ればそれらの料金は膨大で。領主傘下のグリード商会が都市内のすべての流通を把握してるので、そこに加入しないとまともに営業できないけど、その看板を借りるために多数の金を預けなくてはならないとか。
2年以内に営業を終えることがあれば、商会の看板に傷をつけたとその預かり金が没収されるとか。マッチポンプで破滅へのジェットコースター作ってるんですよねぇ。
暗黒街と呼ばれるアンタッチャブルな犯罪にまみれた地区まで出来てるみたいですし。
事情を知った手前、放っておけないとカナタ達も一枚かむことになったわけですが。
何にしてもメルの才能伸ばしておいた方が良いよな、と彼女もまた霊薬漬けの勉強をすることになっていたのは……まぁお疲れ様ですというか。
4巻の番外編「とある不死者と魔法修行」で、ルナエールに錬金術も叩き込まれて伝承にしか残らない「錬金花」を作り上げたカナタがそれをやってると思うと、目に涙が……メル、強く生きてくれ……。
ロズモンドに「大船どころかドラゴン」と例えられる頼もしさと、霊薬漬けの不安。最終的には頼もしさが勝ちますが、おっかないのは確かですな。
グリード商会のウォンツが売ってきた妨害を蹴散らし、領主グリードが企んでいた計画に巻き込まれつつも、それすらも蹴散らしたカナタは実にいつも通りで安心できましたね。