ico_grade6_3

「ああ、司だ! 志穂乃、助かりたかったら僕と【契約】しろ!」

 

病床の志穂乃を救うためルーンを用いた【契約】を交わした司と美穂乃。

高位の跳躍スキルを持つ領主の少女、セラフィナに必要な素材を教えてもらった2人は、採取のために危険地帯であるギヴァ渓谷に向かうことに。

そこで危険なドラゴンと対峙する羽目になり……美穂乃に突き飛ばされ、戦場を一時離脱することになった司でしたが。

【契約】の縛りはかなり強力で……義務を果たせ、と彼を苛むことに。美穂乃の生存を確認できたのは良かったですけど、魔術による契約、なかなか融通が利かなくて大変ですね……。

 

終盤に司も反省してましたけど、「志穂乃の病気を治すために協力する」ではなく「志穂乃を救うために協力する」と言った影響か、薬が完成してからも2人の契約状態が継続してたりしましたし。契約を結ぶ時は気を付けた方が良い、と反省してましたが、それはそうだよ……。

まぁ美穂乃と契約をした際は、司を裏切った友人・柊恭弥の方が信頼できるというような言葉を美穂乃が言い放ったせいで司も冷静じゃなかったから、多少同情の余地はある。

今回のプロローグがまさに恭弥の裏切りのシーンでしたが、「俺を信じたのはお前の勝手」とか言ってきたりして、なかなかに恭弥も歪んでるな……感はありました。

 

薬は無事に完成させることが出来ましたが、セラフィナが幼いため後見人を務めている叔父が彼女を軟禁状態に置いたことで、面会が叶わない状態が続いたりとかのトラブルも起きていました。

司の排除を躊躇わず実行した王女も健在ですし、あちこちきな臭い世界ではあるので、なんというか今後も司は巻き込まれていきそうだな……という予感しかしませんでしたね。

……そもそも志穂乃は病気ではなく、毒を盛られた結果だなんて話まで出て来てますし。

 

美穂乃、契約の関係もあって抱かれ続ける中で司に絆されている部分も出てきてるみたいでしたけど。リエラに教育を受けているときのエクストラエピソードで、彼女は比較的恵まれた環境に居て、自分なりの「普通」を信じていて、その「普通」から外れた「かつてよく遊んだ幼馴染」に向ける無自覚な視線はどんな蔑みの言葉よりも残酷だった、的なことが地の文で書かれていて、まぁ……そういう娘だよなぁ、……という納得はありました。