ico_grade6_3

「皇女殿下いわく、俺は恨みも恩も決して忘れない人、らしい。今のうちにできるかぎり恩を売りつけておきたいんだそうだ」

 

ベルカでのアレコレが終わり、ティティスの拠点に戻ることにしたソラ。

一方そのころ、アドアステラ帝国から婚儀の為に咲耶がやってくることになって。王子相手に辛辣な言葉を放った人物とは思えないほど、配慮する姿勢を見せてくれていましたが……初手強硬姿勢を示した上で、配慮することで自分の評価を上向かせる交渉術の一環かもしれませんが、十三歳の少女と思えばなかなか巧みです。

 

カナリアのアザール王太子が、咲耶の態度を見てから元婚約者であるクラウディアに懲りずに秋波送ったりしてたのを見ると、彼女主導の方が国営上手くいきそうだなぁ……感が強い。ただまぁ、それはカナリア王国が元々帝国に対抗するために創られた国という事もあって、彼女に完全に差配を任せるのもそれはそれで問題が多いでしょうけど。

咲耶王女、自分の弟をアストリッドの相手としてどうか、と言ってきたりもしますし。ソラにも興味を持っているしで、ソラからしても他人事ではない状況になったりしてました。

 

更にソラの故郷でも騒動が起きて。変わらず囚われの身だったクライアの元に、彼女の救命を条件に密命を帯びたクリムトが死んだ、なんて知らせが飛び込み……彼女はいてもたってもいられず、ソラを頼って島抜けしてきて。

容易くクライアがソラの元に辿り着いたことで、彼を引っ張り出すために誰かが企んだことだろう、という所までソラは見抜いたわけですが。

皇女との縁が出来たタイミングだったことや、鬼門の中の世界に興味を持っていたこともあって、その策に載ることを決めて。

 

鬼ヶ島で絶対の力を持っている御剣家も、あくまで帝国の有力な家の一つに過ぎず。

皇女伝いで皇帝から直接許可をもらって乗り込んでいく、というのはシンプルな権力という力でごり押ししてて、なんか痛快でした。

……皇帝、色々と事情を知ってるようで龍穴のこととか、世界の真実のこととかで釘を刺してきたりもしましたが。ラスカリスやノア教皇のこともあるし、このまま無知でもいられないだろうと、ソラ的に興味はないけど情報を掴みに行くことに。

 

鬼人族と敵対している御剣家の技を振るいながらも、鬼人族からお守りとして腕輪を託されている。

そんなソラの事を鬼界を統一した中山の王アズマも気にかけていて……。

情報を得るためにソラが鬼族の有力者捕虜にしようぜ、とアズマの兄弟でもあるドーガと激闘を繰り広げた結果、アズマと早々に接触することになったりしてて、かなりテンポよく進んで行った感がありましたね。

なんだかんだで生き延びていたクリムト君も、たくましくて良いと思いますよ。無理難題を振られてましたが、その裏で自分の目的を叶えるために別の行動取ろうとしていたあたりはちょっと驚きましたが。多少は搦め手も使えるのか……。