「そう! オレプレイヤーだから! だから落ち着いて話をしよう!」
「……………………肉置いてけぇ!」
「話通じねぇ!」
ゲテモノ料理だろうと喜んで食べる、食欲に対する好奇心があまりにも強い主人公の刹那。
好きな「食べること」をメインにしたフリージャーナリストとして記事を書いたり、ブログやらを運営したりすることで収入を得ていた。
そんな彼女が楽しみにしていたのが、味覚まで再現されているタイプのVRゲームをプレイすること。
過去には運営が適当に設定したことで「血液がみそ汁の味」になったゲームで、吸血鬼として好みの味を探してNPCから吸血しまくって、都市を滅ぼしたりした経験もあったりするそうで……暴食さんなんてあだ名が付けられるのも無理はないタイプのキャラをしてます。
まぁ当人的には「暴食さん」とかいう大罪の名を関した呼び名は不名誉だと感じているようで、ゲームであればしっかりプレイヤーネームで呼んで欲しいようですけど。
そんな刹那が新たにプレイすることにしたのが「化け物になろうオンライン」。
タイトル通り、いろんな魔物の要素をピックアップした魔物キャラになることが出来るゲーム。単純に一種族になるのではなく、いろんな種族の特性をピックアップして自分のなりたい姿を作れる自由度の高いゲームではあるようです。
デメリットを取得していくことで制限とキャラメイクに使えるポイントを増やして、いかに強力なキャラを作るか創意工夫が試されそう。
強いキャラ作りすぎても、経験値を借金する形になって序盤レベルが上がらなくなったりするそうですけど。
刹那はフィリアというPCを作り、ゲームを楽しむことに。
血を味わいたいから吸血鬼、生肉食べたいから人狼……というように、趣味満タンのビルドをして、時に弱点を突かれて即死しつつも目的のためにヒャッハーと人間性切り捨てて走り出せるの、このゲームへの適正が高すぎる。
ある程度レベルが上がったプレイヤーをキルすると、その要素を持ったアイテムが落ちるようになる。そのシステムを楽しむためのイベントが初期に開催されることになって……速攻でドラゴン食べに行ってるの、強すぎるんだよな……。
他にもお仕置き要素である堕ちた英雄呼び出して血を吸ったりしてるし、かなりアグレッシブです。
時にギスギスしつつ、時に協力してゲームを楽しんでいるなぁ……って感じではあったんですが。なんか最終版の展開で、このゲームの「ただのデータのはずなのに、料理がおいしすぎる。どんな技術使ってるんだ」という報告を知人に投げたら即座にリアクションがあったり。
掲示板回で「ゲーム運営の性根は腐ってる」と評価されたりしてましたが、実際最後にちょっと描かれた開発陣のやり取り、マッドサイエンティスト味を感じましたねぇ……。