「貴様はこの世界で、何を成すつもりだ?」
(略)
「のんびり幸せに生きていける世界を作るんだよっ」
科学技術も発展しつつ魔法も存在するファンタジー世界を舞台にした『ネオンライト』というゲームにハマっていた主人公。
【十三階段】という、ゲームの舞台となっているネオンシティを支配している裏組織が存在して。ゲーム主人公たちはそれに対抗する反抗勢力に所属しているとか。
タイトル通りその作品世界に転生した主人公でしたが……彼のポジションは、ゲームに関係しないモブキャラだった。それどころかブラック企業で働く社畜だった。
上司に連絡を取ろうとしたもののどこかで油を売ってて連絡が取れず、個人の判断で仕事の話をまとめて終わらせたら、説教されている場面から転生先……ルクスの物語が始まるの、世知辛すぎる。
原作知識はあるけれど、モブキャラである自覚もあるから下手に介入してストーリー改変がされてしまうかもしれない。そして生きていくにはお金が必要で、だから普通には垂らしている。
……と言いつつも、ブラック労働は過酷だから備えるためにこっそり副業とかもしてるわけですが。
裏組織と主人公たちの対立を知っていながら、副業で警備のアルバイトをして「というか警備が必要ってことは、襲撃を警戒しているのでは?」とか言うの、一手も二手も遅い。
実際襲撃起きてましたし。認識できるものなら全て斬れる魔法剣を使い、距離や時間すらも切って戦闘を危なげなく片付けてはいましたが。
その結果、隠されていた秘密……本来なら命を失うはずだった少女タナトスを助けることになって、そこから少女の姉である、主人公に倒されるはずだった章ボスである悪竜リヴィアとも縁が出来ることになって。
タナトスは本来なら殺されるはずだったから、自分がここで助けても良いか……と自分を誤魔化そうとしていたの往生際が悪いというか。
ゲームラスボスは、自分の想定したシナリオを壊すゲーム主人公を変数として興味深く観察していたところ、自分も知らない転生者とか言う未知数の存在に計算を狂わされまくってお疲れ様ですというほかない。
ルクス的はまだ言い訳できる範囲と思い込もうとしてますが、主人公が章ボスのリヴィア倒す経験を積めなかったり、対抗勢力も想定が崩されて不満が溜まってたり、シナリオはかなり早い段階で崩壊してる感が強い。