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「だが、伝え聞く限りだと、勝ち目はないだろう」

「……君は、狩りをやったことは?」

(略)

「勝ち目はつくるものだ。俺は狩りのとき、いつもそうしてきた」

 

ブリューヌの王位をめぐる内乱を、少数精鋭の傭兵団を率いる女戦士エレンとともに駆け抜けてブリューヌの英雄となり、隣国ジスタートとの友好にも力を尽くしていた。

……それから5年後、南の大国キュレネーが『神征』を宣言し次々に周辺諸国を滅ぼし、ついにはジスタートにまでその牙を届かせようとしており、ティグルも手を貸すことになっていたわけですが。

 

ジスタートが誇る戦姫が5人も既にキュレネーとの戦いの中で命を落とし、ジスタートの王すら命を落としているかなりヤバい状況から物語がスタートしています。

ムマの継承者がオルガじゃなくて、オクサーナ=タムという女性になっていたりだとか。

そもそもエレンがアリファールの継承者になっていなかったり、リュドミラがラヴィアスの継承者になっていなかったり。さらには、ティグルの家に伝わっていた家宝の黒い弓とティグルの右目が2年ほど前の戦いで失われていたり。

戦姫アレクサンドラが健康になって、指揮を執っていたり。

これまでの『魔弾の王』シリーズを知っている人ほど、引っかかるポイントが多い感じですねぇ。

 

冒頭の戦いでオクサーナも味方を逃すために残り、命を落とすことになってしまうわけですが。

ティグルとエレンは、キュレネーの神官と思しき連中が竜具を封印する様子を見たり、彼らがアーケンという神の信徒を名乗るのを見て対抗策を探っていくわけです。

絶望的な状況でも諦めてないのは流石ですねぇ。

ティグルは家宝の黒い弓や過去の戦いで助けられた経験から、ティル=ナ=ファの情報を求め……マクシミリアンという墓守を探すことに。まぁ、ガヌロンだったんですが。はい。

 

調査に赴く中でティグルの黒弓に似た弓を持つアヴィンという青年と、ティグル達を探していたという銀髪の少女ミルという不思議な2人組と出会ったりもして。

ガヌロンから話を聞けたことで多少は情報面で前進しましたが。アーケン神が本当に降臨し、その力を与えていることでキュレネーの神征がとんでもないことになっているとか知っても、なかなか対処するの難しいですよねぇ……。

 

ティグルにはまだティル=ナ=ファに願うという道が残っていたのが救いというべきか。

ただ、ティル=ナ=ファを降臨させるためには竜具が少なくとも2つは必要だという情報も出てきて、キュレネー側の封印を暴きにかかったわけです。

エレンがアリファールを継承することが出来たものの、魔弾の王であるティグルの身体にアーケンが入り込んで乗っ取られる羽目になってしまったので、一進一退というか得るモノも大きかったけど損失もデカくてこれからが大変そうです。