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「それなら他の方法を考えろ」

簡単なことを命じるような軽やかな口調で、想い人が言った。

「昔、勝ち目はつくるものだと言っただろう。新たな道をつくれ。分かちあってやる。何十年かかけて、いろいろなことをやってみて、それでもどうしても他に見つからなかったら、そのときはいっしょに死んでやる」

 

シリーズ完結巻。

アヴィンたちの奮闘で意思を取り戻したティグル。しかし、操られていた時期に部下につけられていたディエドが今度は操られ……腹部に刺傷を負うことになったりすることに。

一方アーケンに与する側も、セルケトが竜の牙2本を確保しアーケンに捧げ、敵の力も増していくことに。

 

ティル=ナ=ファの干渉を排除するために、魔弾の王の黒弓とか竜具を封じたり、他世界に手を伸ばしたりとかして、準備を重ねた結果ジスタート含め各国は厳しい状況に置かれていたわけですが。

奪った竜具を操る影まで駆使してティグル達の邪魔しに来るの、厄介すぎる。これまで頼もしい戦姫の武器だったものが敵に回ると面倒ですねぇ。転移できるエザンティスが相手側にあるのがだるすぎる。

ミルとアヴィンの元居た世界の戦姫たちは、竜具が反発してしまうから持ち込めない、という事で派遣される戦力として除外されて、子供達がやってきた、という理由もあったみたいです。

 

意識を取り戻したティグルがエレン達と合流して、アーケンに対抗するために再び協力できるようになったのは良かったですねぇ。

神に操られていたキュレネー国の行く末とか、同じく操られていたとはいえ王都落としに関与したティグルとか、悩ましい問題は多すぎますが。

それでも、対処すべきことを間違えず前に進むことが出来たのは、良かったですね。ティグルが操られていた件は、神の関与を表に出せないから薬物を使われたという風に誤魔化してましたが。思う所があるだろうジスタート兵の中にもティグルの味方をしてくれる人が居たのは、エレンも言ってましたが彼の積み重ねがあったからで、そこは良かったかなぁ。

アーケンを巡る一連の騒動に横からちょっかい出してたガヌロンが、自分の目的を見直すきっかけになっていたのは、予期せぬめぐりあわせだなぁって感もありましたが。

神を巡る厄介な戦いを乗り越えたのはお見事でした。