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「どうすれば、戦姫様のように不屈の意思を持って、前を向くことができるのですか」

(略)

「答えになるかわからないけど……。僕は、いつ死んでも悔いのないように生きる、しぬまでにやりたいことをやると、そう決めている」

 

アーケンという神の力によって優位を取っているキュレネー軍。

敵方が封じていた竜具の一つを取り戻し、エレンが戦姫となったことはジスタート側にとっての吉報でしたが……。

しかし、魔弾の王となる素質を持ったティグルがアーケンに身体を奪われ裏切ったことで、王都シレジアは陥落してしまったわけです。

 

ティグル、ほぼほぼ身体を乗っ取られているけれど、わずかに意識が戻る瞬間があって。

本気で抵抗すれば隙が出来てエレンに斬られることも出来たかもしれない。けれど、ティグルは敢えてそれをせず、王都の悲劇をただ眺めるにとどめた。

自分の命と引き換えにしてでもアーケンを仕留める好機を、待つために。キュレネーの兵隊が神征を始めてから減らない理由とかを、内部に入り込んだことで知ることが出来たのは良かったですけど。

アーケン神の力で死んだ兵士のから魂を抜き取って、本来なら戦えない女子供老人にぶち込んで兵隊にしてるとか、外道がよぉ……。

 

出自が分かっていないジスタート初代国王。王都が暴かれたことで棺が空だと判明しましたが。メルセゲルはそれに疑いを持って、黒竜の鱗という手がかりを得て独自に暗躍。

かなり厳しい状況に置かれてもジスタートの戦姫たちが諦めず行動しているのは良かったですね。ミルがティグルを信じ続けているのも、戦姫になったこともあり自身の責任としてティグルを切ろうとするエレンも、それぞれの在り方を貫いている。

 

そして、何らかの事情があってティグルを探していたミルとアヴィンの背景についても明かされることになりましたが。

無数に枝分かれした可能性の世界……要するに並行世界からやってきたとか。ミルとアヴィンが来た世界は別々みたいでした。ミルはティグルがブリューヌとジスタート両方の王になった……最初の『魔弾の王』の世界から来たみたいですねぇ。

いろんなIF世界を描いてシリーズ展開している『魔弾の王』シリーズらしいルート分岐というか。アーケン神の力を恐れた魔物たちが行動を起こして、別世界からの応援を読んだとか予期せぬ事態が起こりまくってる世界線だなぁ……とも思いましたが。

諦めず足掻き続けた結果リュドミラの手に竜具が渡り、ティグルも自由を取り戻せそうなのは何より……。まぁ、そのタイミングで別のトラブルに見舞われてましたが……。