「大丈夫だよ奈紺。君は……君が思うほど、悪い奴じゃない」
主人公の大学生男子、叶。
彼は正体不明の少女に「赤瀬奈紺」と名付け、同棲をすることに。
とは言えそれは甘い恋愛的なソレではなく……迷い猫とかを保護するイメージに近い。奈紺、暗いところを怖がるような人間味もあるんですけど、その実、怪異に近い危うさを抱えた少女でもあった。
悪友から欠席者が出た合コンの穴埋めに熱烈に誘われた叶。
流れで奈紺の存在もバレて一緒に行くことになって……。叶は、奈紺の事情を知ってる天草教授に相談の上顔を出すことにして。
そこに奈紺以外の怪異も紛れ込んでいて……悪友の幹事・中沢くんが襲われる、なんて場面もありましたが。
奈紺があっさり撃退。ホラーを目撃した中沢も驚いていましたが……奈紺が助けようとした理由が、合コンとか初めてで「楽しかったから」だっていうのが、良かったですね。
奈紺は確かに並みの怪異よりも強い、異質で異常な存在ではありますが。
叶が傍にいる限りにおいて、普通の少女のように過ごせているのはとても凄いことだと思います。
天草教授、オカルト方面に詳しいし自分にも悪魔ハルファスがついていて、そういったトラブルに対処する専門家とのつながりもある人物で。
とある組織からの脱走者についての相談を持ち掛けられたりもして……読者目線だとあからさまにストーリーラインが繋がってるので「逃げて―」ってなっていましたが。
専門家であっても脅威に感じる奈紺に駈け寄れる叶くんが実に良かったですね。