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「ソフィー、あなたにとっての光になってくれるひとに会ったら、大切になさい。そしてそのひとにとっての光になれるよう、努力なさい」

 

11歳のティグルが、ソフィ―と出会っていたらというルートが描かれる『魔弾の王』シリーズ。

他シリーズに比べると若い……というか、いっそ幼さもあるような年齢ですけど、それでもこの当時から弓の腕前は確かで。

一方のソフィーも、この当時だとまだ竜具に選ばれたわけでもない時期というのは、魔弾シリーズの中でもちょっと変わった部分ですかね。大体、戦姫と魔弾の王との関係を深めていく物語だったわけですし。

……でも、このくらいしないとエレンないしリュドミラと会っちゃうからな……。

 

ジスタート王国に使節団としてティグルの父が派遣されることになって。

それに同行したティグルは、ジスタート王国の北端にある港町イルフィングを訪れていた。十六年に一度、数十日もの間あける事のない夜が続く「大極夜」が起こるとかで……ちょうど、ティグルが訪問したのも大極夜を数日後に控えた時期だった。

大極夜を控えてにぎわう街を散策していたティグルは、猿ぐつわをされた少女ソフィーを見つけ……彼女を助けることに。

 

ソフィ―は、攫われた母を助けに行く為に父親が自分を置いて行動しようとしているのを聞いてしまった。

母が、イルフィングの領主であるヴェトール伯爵に攫われた。

父は娘を危険にさらせないと王都に置いていくつもりだったみたいですが。ソフィーはそれで大人しくしていられる性格をしていなかった。

そしてイルフィングに辿り着いたわけですが……ソフィーを「マーシャの娘」として狙う輩に追われる羽目になってしまったとかで。ティグル、この時期から弓の腕には秀でてるし、狩りの経験などもあってひとさらいに容赦なく矢を放てるのは強い。

 

ティグルとソフィーが子供で打てる手が少ないというのもありますが、敵は既に行動を起こしているし、そもそもイルフィングが敵の本拠地なのもあって、基本的には追われ続けることになります。

ティグルが父と合流しようとしても阻まれてしまいましたし。薄い手がかりをつかんで、使節団側でも行動を起こしてはくれてましたけども。

裏をかいて伯爵の屋敷に忍び込んだりとか、ティグルとソフィーも結構良い手を打ってはいますし。

故郷の村へ連れて行かれたという母を助けに赴いて……母の出身である闇の緑星の里があるイルフィング島へ渡る術を探し、闇の緑星と敵対する部族の協力をティグルが弓の腕を示すことで取り付けたり、それでも足を止めることない2人が実に強くて、微笑ましくて良かったですね。