「少し見方を変えるだけで、世界はこんなに素敵になるんだね」
プロローグ・エピローグが高校三年生で、青春の日々を過ごした少年がとある会話から、自分の青春の始まりを思い返すと言った構成になっているわけですが。
友人の水崎にデルタとあだ名をつけられた出田(いずた)君。植物に詳しい理系オタク、扉絵の紹介文にはありました。
水崎と出田、陰陽でキャラは違うけど中学時代は同じ化学部に所属していたし、噛み合う部分あるんだなぁ……って感じがするよい友人関係なのが伺えました。
水崎が拾ってきた噂で、「綺麗なハートマークが見える、恋愛成就の桜」を見に行った出田は、同じように水崎から噂を吹き込まれたクラスメイトの少女・岩間と出会って。
噂のような綺麗な景色は見えず……どうしてかと探ることにしたり。
不可解な部分のある部活勧誘のポスターを見つけて興味を持ったり、秘められた巨木の樹齢についてちょっと調べてみたりとか。
短編連作、日常の謎的な感じで気になった出来事について理系の出田くんたちらしいアプローチで謎を解いていったり。その過程で、同じ部活の仲間が増えたりしていくの青春してるなぁって感じがしましたね。
プロローグ・エピローグの雰囲気が好きで、そこに至る彼らの積み重ねの一端が見られてると思うと味わい深かった。