「ナオ、気が利かないのは良くないわよ? ……誰彼構わず利きすぎるのも困るけど」
「経験不足ですまん」
他の貴族の結婚祝いの席に、名代として派遣されるネーナス子爵令嬢のイリアス。
その護衛として雇われることになったナオ達はピニングの街に到着して。納品依頼を片付けたり、顔合わせを済ませたり。
事情があるとは理解しつつも感情面で納得できない兵士たちの訓練に混ざって、その実力を示したりと色々やっています。
イリアスが九歳ということもあって、同年代のメアリーやミーティアの獣人姉妹と仲良くしてたのは微笑ましくて良かったですね。
道中で襲撃を受けたりするトラブルもありましたが、撃退には成功。
しかし今のナオ達でも攻めきれず、撤退を許してしまったのは厄介というかなんというか。実力者多いですねぇ、この世界も。
そして祝いの為に訪れたクレヴィリーという都市は、貧富の格差がハッキリわかる都市でもあって。現代の感覚があるナオ達からすると、悩ましい部分ではあったみたいですねぇ。
ちょっと神殿に心ばかりの寄付でもしようかとか言ってましたし。孤児院併設してなかったりするし、都市の事情もあるからやめておいた方がよいとイリアスに止められてましたけど。
実際、食事は美味しかったり相応に発展はしてるっぽいから、「領主が悪い」と断じられないあたりがせちがらいところ。
現地までの護衛を無事に終わらせたところ、見目麗しいエルフであるナオとハルカに披露宴にも同席してほしいという話が出て。
あくまでイリアスについている冒険者という立ち位置で、面倒ごとを避けるためにパートナーがいるって示すための飾り布を付けたりもしてたんですが。
……バカ貴族に絡まれる羽目になったのは、もはや御約束か。真面目で位の高い貴族もちゃんといて、フォローに入ってくれたのはありがたかったですけども。
あと、そうやってパートナー扱いをしたりしたことで、これまでじれったい状態で進んでいなかった2人の関係が進展したのはめでたいことですね。
やっと恋人になったくらいの感じで、表紙ではなんか2人が結婚した風になってますけども。あとがきでも「表紙詐欺」と言われていたのには笑った。
ハルカとの関係もハッキリしたことで、ユキとかもこれまで以上にグイグイ来るのだろうか。……一線超えて出来ちゃった場合、戦力不足になるから計画的にね! と「利」の方で攻めて来てたから、様子見しそうな気もする。