「よし ここからが時間の勝負だな」
22~25話と番外編、書き下ろし小説「またな」を収録した第7巻。
人攫いの組織が長らく暗躍しているオトルワ町。自警団や冒険者ギルド内部にも敵の手が入り込んでいる厄介な状況ではありますが。
そんな厳しい状況でも、アイビーと一緒に戦おうとしてくれる覚悟の決まった人が居てくれるのも救いではありますね。
アイビーの連れているソラの能力で、スパイを見抜く大作戦。自警団の126人を調査するパート、ずらっと人が並んでいてこういうのは漫画の強みだなぁ……といいますか。
調査してるボロルダとアイビーが疲労困憊になるのも無理はない、という納得がある。
その動きを見逃さないようにしているメンバーもそりゃ疲れるよ……。
冒険者ギルドでは15人を調査したけど、7人に問題ありで……さらにはボロルダが育てた3人も入っていたりとか。
「緑の風」の面々の時もそうでしたけど、信じたかったけど裏切られていた。そんな状況でも奮闘してくれるメンバーは偉い。
森でトルトとマルマが大勢の犯罪者を匿っていて……それを確認したリックベルトが手配書を攫って記憶の顔と照らし合わせていたりとか。
信頼できる貴族であるフォロンダ領主が、組織とズブズブのファルトリア伯爵に相談しており、組織としても動きが出てきそうだという状況で。
アイビーが、監視についているミーラも利用した上で、今すぐ動こうと提案。臨機応変に対処してくれる雷王と炎の剣や、自警団の団長たちは有能ですね。手が足りないから、見方諸共眠り玉で眠らせようとかするアイビーの思い切りも中々ですが。
雷王たちの迅速さを見ると、緑の風のミーラは不本意な状況に置かれ続けていて本調子ではなかったとはいえ、動きが鈍かったので「上位冒険者と同等」の扱いに見合わなかったんだな……と言うのが見て取れるのがね……。
組織の仲間に作戦見破られているのがバレて「洞窟へ行け」と言われても、「行かない」という選択をしたので、まぁ抵抗の意思がそもそも薄かったのもあるか。
原作だと抵抗して眠らされていたハズなので、コミカライズ版はちょっとマイルドになってるか。ファルトリア伯爵を抑えるまでのテンポもサクサク進んでいて、独自の味わいになってました。
書き下ろし小説「またな」はミーラ視点で、事件後の扱いについて描かれていたのも良かったですね。