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「勝手に生きろと言われても、あいにくとまだ七歳なのよね……。普通に考えて、死ねって言われているのと変わらないと思うし、向こうは何を考えているんだろう。……いやまあ、私の場合はどうにかやっていく自信はあるけれど」

 

ラビウス侯爵家の側室の下に生まれた少女、フェリシア。

母を亡くした後、父であるラビウス侯爵の下に第四夫人として新しい側室がやってくることになり……フェリシアは家を出されて、辺境にある侯爵家所蔵の屋敷に住まいを移すことに。

第四夫人、先代国王が遅くになってから生まれた子でたいそう甘やかされて育った「悪い意味での王女様」らしくて。現国王の妹という立場でありながら、子連れで、第四夫人としてやってくる時点でお察しというかね……。

 

侯爵もそんな厄介者な王女様を家に抱えることになって、目の届かないところには置けなかったことから、止む無く近場の屋敷に住まわせることになったようですが。

フェリシアにすら悪評が聞こえている王女様だったわけで、彼女もまた同居には肯けず、辺境送りに同意したわけです。

辺境とは言え、何代か前の侯爵当主の弟が研究素材を求めて住んでいた屋敷らしく、環境としてはちゃんとしてましたね。

……ただ、追って使用人が手配されるはずだったところ、噂の第四夫人が「辺境に追い出される子にそんな金はかけられない」と横槍を入れたことで、フェリシアは独り暮らしを余儀なくされることになるわけです。

 

カクヨムだとタグでパッと分かりますが。作中だと終盤で明らかになることとして、フェリシアは転生者なんですよね。

そして、彼女の棲むことになった屋敷の前の住人もまた転生者だとか。

領都で暮らしている際に、生活の端々に転生者の気配を感じつつ、周囲には隠していたみたいですけど。そのあたりの扱いはどうなってるんでしょうねぇ。

研究者として有能だったっぽい前住人がそのあたり隠していたのは、面倒だったからなのか、研究の邪魔になるからにすぎなかったのか。

 

異常成長していた薬草を採取して、近くの街のギルドに納品したりしてお金を稼いだり。

屋敷の周囲には魔物除けがあるらしいですけど、その屋敷の傍にあるのは魔の森と呼ばれる危険地帯であって……。

フェリシアが引っ越しした少し後に、魔物の生態異常によって起きる「溢れ」と呼ばれる現象が起きて。生活圏が動いたことで魔物同士の争いなんかも起きて、それで負傷した狼の魔物と従魔契約を結ぶことになったりと、のびのびと過ごしてるなぁ……と言う感じがしますね。