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「ダイちゃん、私達は賭けに出るのが遅すぎたんだよ」

(略)

「ダイちゃん、やろう!」

 

1巻で、異世界に連れてこられダンジョンマスターをやる羽目になり、カジノを設置し人に危害を加えないことで特殊な立ち位置を確立したものの……既得権益であるグランドエイトに目を付けられた班目。

綱渡りな場面もありつつも賭けに勝ち、ダンジョンマスターのランキングトップに躍り出たわけですが……まだダンジョンマスターになった1年ちょっとなのもあって、地盤は全く整ってなくて。

 

元グランドエイトのうち4人が死んだとは言え、元1位のシルヴァーナとその派閥は健在だし。班目は上位8人だった元グランドエイトに対抗するために、燻っていた9位・10位の力を借りていたわけですが……ロンデミオ・ガルガンチュは班目との協力関係はもうないものとして扱っていて。

 

そんな中で班目は、下位でくすぶっているダンジョンマスターたちに「ダンジョン経営」についてのアイデアを提供することで、味方に引き込もうと考えた。

ポイントの強制取り立てによるダンジョン縮小からのリビルド。これが実際に行えるとわかったのは、割と大きそう。……いやまぁ、以前のダンジョンエイト政権下だと騙し合い上等だから、信用をもとにしたダンジョン縮小プランは運用し辛かったとは思いますし。

班目のアドバイスは的確で、それによって底上げを図るプランは効果を発揮していましたが、効果的すぎて支援プランを練ってる班目が仕事に追われる羽目になってましたし。

班目、まだまだ陣営が整っていないので手が届かないところが多すぎるんだよなぁ……と思いました。

 

最下位だったダンジョンマスター・カレンのダンジョン。

辺鄙な場所に誕生してしまい、ほとんど冒険者も来ないので攻略こそされなかったけれど、ダンジョン経営は傾いていた。そこで班目が、「辺鄙なところってことは流通にも難があるってことだから、有益なものを生み出して人が進んでくるようにしよう」とプランを立てたのは、カジノダンジョン作った彼ならではで面白かったですけど。

カレンが班目のダンジョン再生案にのるのも、一つのギャンブルではありましたけど。

 

今回はカジノダンジョンのカジノ要素より、班目のダンジョンマスターとしての要素に深掘りしていくエピソードになっていましたねぇ。

グランドエイトのダンジョンを攻略した四英雄がカジノダンジョンに乗り込んできたり。班目と因縁のある相手が勇者としてこの世界に召喚され、カジノダンジョンに攻め込んできたり。グランドエイトとしてのバチバチのほかに、カジノダンジョンそのものも安寧ではなく慌ただしかったわけですが。

最後に班目が出した告知が、実に彼らしくて笑いました。