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「あいつが裏切らずとも戦う理由などいくらでもできるさ

 たとえと共に酒を酌み交わそうとも背中を預けて戦場を渡り歩こうとも

 それが刃を交えない理由にはならない」

 

21話~28話を収録。

異大陸に来た時にジグが拾っていたバッジ、情報収集の際に聞いた「また傭兵か」という発言……その答えであるかつてのジグの指導役でもあった傭兵ライエル。

 

音信不通になった先遣隊に参加していた人物であり……「誰もが魔術を使い、魔獣という脅威が存在する」という元の大陸との常識の差異や、魔獣に仲間を殺されたこと、かつての弟分が自分の家族を殺した「魔女」の同族を連れていたこと。様々な要因から狂気に陥ってしまった人物。

不器用な彼の優しさが垣間見える過去編が挟まっているのが味わい深い。

……恩義があろうと、それでもなお衝突するのならば切り捨てる。その割り切りが出来るのがジグだよなぁ……

 

ジグが「接近戦でなら今の俺で五分、用兵技術にもたけているから総合的には勝ち目がない」とか評価する彼の師匠の強さ、とんでもないな……。

イサナから情報を貰いつつも、次に戦う時の為に観察を怠っていない彼が、何がきっかけで戦うか分からない的なこというの良いですよね。ライエル切り捨てた後だから説得力が凄い。

その上でシーアシャには「お前を護るのが俺の仕事だ」と返すのが、頼れる仕事人過ぎる。敵に回したくなさすぎる人物、とも言えますが。