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「ベリル殿には感服しました…!!」

「ヘンブリッツ君?」

「疑った自分が恥ずかしい…っ!!」

 

片田舎の村で剣術道場を営むベリル・ガーデナント。

彼の弟子は道場を離れ外の世界に羽ばたいていき……大陸に名をとどろかせる英雄となった。それゆえにレべリス王国には「片田舎の剣聖」がいる、なんて噂があるみたいですけども。

ベリル自身の認識はあくまで「田舎の道場主」であって、実力に対して自信がさっぱりなさすぎるのは気になるところ。

 

ある日、騎士団長にまで上り詰めた少女アリューシアが道場に顔見せにやってきて……ベリルを「特別指南役として推薦し承認されました」と国王の御璽付の命令書まで添えて外堀埋めてやってきたの、師の性格をよくわかってるな……と言う感じはありますね。

田舎から王国首都までやってきて……人が多い分、ベリルと縁のある人物も多くて。

20年ほど前に3年ほど教え、養子に出した少女スレナとも再会したりして。アリューシアといいスレナといい、ベリルに対して恩義を感じていて、親愛だったり……あるいはもっと深い情を持っているようですけど、その割に再会までに時間掛かってますね。

 

各々に立場ってものが出来て、ベリルが田舎にいるからって言う時間・地理的な問題があるんでしょうし……。

アリューシアは、今回みたいに指南役として引っ張ってくる好機をつかむために奔走していたからなんでしょうけど。

 

弟子たちと散策していた時に立ち寄った鍛冶屋で、刃が付けられていない仕上げ前のなまくらで試し切りの巻き藁綺麗に切ってたり。

腕前を信じていない副団長から吹っ掛けられた決闘を、危なげなくさばいて見せたり。

剣聖って噂が立つのも納得の凄まじい腕だなぁ……と思いました。

自信が無いから普段の印象はさえないオッサンですけど、剣を持った時にスイッチが入ると頼もしい武人になる見せ方が上手いなぁと思いました。

 

弟子のひとりだったフィッセルは魔法の道に進み、魔法師団に所属していた。

教わった剣術も活かし、突きを飛ばしたり特殊効果を発揮させる「剣魔法」の遣い手となっていたと描かれるシーンもコマ割り良かったですね。