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「うちは成り立ちが特殊なので、これが家風なんですよ。なかなか普通の貴族には理解してもらえないと思いますが、うちはそういう家風ですから」

 

16話を収録。「みそっかす」12巻よりは一つ一つのエピソード短く、多く収録してる形ですね。

1話「よくある貴族の五男の話」。エルヴィンが実家に居た頃のエピソード。

エルヴィンはいずれ冒険者になることを見越して、狩の腕を磨くのを怠っていなかったわけですけど。彼の兄たちはそうでもなく……。三羽のウサギを狩った弟から、成果を一匹ずつ奪っていく兄よ……。

弟が獲物とってるのに兄が成果ゼロってのは体裁が悪い、と父も黙認する構えなあたりが零細貴族家というかなんというか。

そんな中で寄り親であるルーター子爵家が、周辺貴族家に声をかけて被害が増えている害獣討伐を行うことになって……どのみち家を継げずに家を出ることになるエルたちは真面目に成果を上げてるけど、エルの兄たちみたいな輩が多い本隊の方がアレなのは本当にもう……。

 

2話「お兄さんは心配性」。ミズホ伯国で出会い、エルの嫁になったハルカの幼少期。

ハルカはかなりの実力があり抜刀隊に入れるレベルだったが、本来ミズホでの女性の剣は護身レベルであり……女性隊員がいないわけではないけど、狭き門ではある。

それでもその道を進むことを選んだハルカの頑張りは偉いですけど……タイトルからしてね、お兄さんがね……相変わらずだなぁ……と言う感じ。

 

3話「イバラの道を歩む」。

テレーゼ幼少期。まだ10歳の時期で、幼馴染だったマックスが幼いながらにニュルンベルク公爵を継ぎ……2人の婚姻の話も正式に破談となって。

さらにテレーゼの父もそのタイミングで倒れ……フィリップ公爵家も継承であれることに。ラン族という部族とその特徴である肌の色にこだわりがあることで、兄たちが家臣団に認められず、テレーゼが父の葬式を取り仕切ることになったり問題抱えまくってるのを、10歳が抱え込んでるの思うと、可哀想にはなる。……その上でヴェル達の転移実験でパンツ取られたシーンまで挿絵にされてたしな……。

 

4話「真夜中の魔女」。

ブリザードのリサの、冒険者予備校にいたころのエピソード。

魔法使いの特待生として認められたものの、男性が苦手すぎて普通に教室には通えない。校長先生からその立場を考慮して、レポートを出すことで代替する話になっていたみたいですが。担当教師に上手く話が伝わってなかったのは落ち度でしょう……。

とは言え、リサも家族以外の男性と会わない生活を送るのはどうかと思い……対抗策が物理的に距離を取る「全身鎧姿」になるっていうのがぶっ飛んでる。

鎧姿に比べればまぁ化粧で武装してる方が健全ですけど、それであの過激さになるのを思うと、どっちがマシかなぁ……。

 

5話「側室試験」。第6話「仕官への道」。

ヴェルがバウマイスター男爵だった頃の話。5話は、ヴェルの側室になろうという女子が多く……それを追い払うために「冒険者チームとしても活躍するから、身体能力も必要だよ」と試験を行うことで追い払って。

……その試験に参加し、合格できなかったものの根性を示したイヴァンカが落ち目の実家に頼るのではなく、冒険者になる道を選んだのはガッツがあって良いのでは……?

 

そして6話はヴェルに仕える家令となった、ローデリヒの話。

商会を追い出され、それから先も上手く勤め先が決まらずにいたローデリヒ迷走期の話。

あちこちに問題を抱えた貴族多くて、よくもまぁ国回ってるなぁ……って感じではありますが。