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「どちらが常識がないんでしょうね。そう思いませんか? ブライヒレーダー辺境伯様」

 

「まったくそのとおりです」

 

主人公たちの幼少時代を描く、番外編。

1話は「狩猟勝負」。ブライヒレーダー辺境伯領の冒険者予備校で、ヴェルがエル、ルイーゼ、イーナ達とパーティを組んでいた時代。

『瞬間移動』出来るヴェルは、他の生徒とは違う狩場に足を延ばせるし、魔法の袋もあるので大量に狩っても持ち帰れないなんてことはない。なんなら学校の休業日と併せたら、他のメンバーに野営の準備をしてもらっている間に、ヴェルだけ一旦かえって納品するなんてことまで出来る。

……便利すぎるな、この主人公。そりゃ取り込みたい人はたくさんいるでしょう。

 

冒険者学校に通っている貴族家から出ることが決まっている、立場的にはヴェルやエルたちと同じ立場。しかし、成績別の冒険者学校のクラス分けで、同じクラスに入れるほど実力がない。そんな未熟なガキに絡まれて……しかも、子供の喧嘩にバカな親まで出てきて。

ヴェルに「ブライヒブルクで冒険者として活動できなくなってもいいのか」とか圧までかけて来てましたが。

瞬間移動できる魔法使いで、しかも辺境貴族家の八男で家を出ることが決まってるヴェル相手にはあまり効果ないよな……。まぁ、そもそもトップのブライヒレーダー辺境伯と既に繋がりを得ているから、怖くもないですけど。

なんというか、また狩猟勝負やってたなー、という感想。

 

2話「英雄症候群の少女ヴィルマ」。タイトル通り、ヴィルマの幼少期。

最初はヴィルマが「英雄症候群」という症状のことすらわからず、両親も心配していたけれど診察では健康状態には異常が無いということしかわからず。

一度倒れ、知識ある司祭様に見てもらえたことで「英雄症候群」について知る事はできたものの……食糧不足という問題は健在で。

自分で狩りに行ったり、大食い向けのチャレンジメニューがある店に通ってみたりと、出来る範囲の事はしていたみたいですけど。そんな彼女がエドガー侯爵の幼女になるまでの話。

 

3話「聖女誕生」。

エリーゼの幼少期。四大属性の魔法が扱えず、聖属性の適性がありそうだと発覚して。

その治療のための練習を始めることになった際、初回から効果を発揮させたのはお見事。不慣れだったこともあって魔力を使い過ぎて気絶しちゃったみたいですが。

エリーゼが最初に心配したのが居合わせた居合わせた家庭教師も司祭が祖父に叱られたのではないか、と言うあたり性根の優しさが出ている。エリーゼに魔法を教えるという仕事を忠実にこなし、その後の処理もしっかりしていたので、叱ることはなかったそうです。

貴族令嬢ではあるけど教会での手伝いにも積極的で、エリーゼには味方が多いみたいで良かったですね。

あまり教会の手伝いに積極的ではない令嬢もいるし、聖属性使いのエリーゼの婚約者の立場を狙うバカが暴走したりとかも色々ありましたが……まぁ、無事に対処できたのは良かった。