「……自分に、自信が持てたらいいのに」
(略)
「俺、昔から人を見る目があるって言われてるんだ」
(略)
「俺が、君の自信になれないかな」
元は小説家になろう掲載の作品っぽいですね。今調べたら多分掲載引き上げられてそうでした。
主人公の少女アリス・コールマンはタイトルにもある通り、貧乏伯爵家の令嬢。娘から「裕福な侯爵家ゴールディング家に媚びへつらっている」と評される程度の家みたいですが。
そんなゴールディング家の息子であるグレイとの婚約話が持ち込まれ、両親は喜んで飛びつこうとしたわけですが。
アリスからするとグレイは、幼なじみとして交流のある彼にずっといじめられ続けて、トラウマになるレベルの悪戯や暴言を浴びてきたことで、絶対に断りたかった。
そこで、実は付き合っている人が居ると嘘を言って時間を稼ぎ……縁談を断るために婚約してくれる相手を探そうとしたわけですが。
学校の校門でそこを通った方に順番に婚約を申し込んで、グレイ以外ならだれでもいいから婚約してもらおう、と思い詰めるほどにグレイとの婚約が嫌だったアリス。
しかし、初手で大当たりを引いたというか。筆頭公爵家の跡取りであるアーサー・グリンデルバルド家に声をかけたところ、了承してもらえることに。
実は、アリスと幼少期に出会い……救われた経験のあるアーサー。
故あって自分からは関わらない、という一線を引いていたみたいですが……アリスの方から飛び込んでくるなら、と溺愛しまくることに。
グレイの方も、アリスを歪な形ながら愛していて……両親に反対を受けつつも、婚約しようと、閉じ込めようと干渉しまくってたみたいですけど。やり方が悪いよやり方が。
アーサー側にも、彼に執着している令嬢がいてアリスにちょっかいを出してきたりとかもありましたが……アリスがアーサーと過去に会っていたことに気付いて、アーサーが真摯に向き合った結果、アリスが少し前向きになれたのは良かったですね。
貴族ではありますがあちこちに幼さもありつつ……まぁ、メイン2人が幸せそうなのはなによりですかね。