「ボクは知識を持つ者を尊敬する。魔法を追及する者を尊敬する。だけど、力だけのバカな者を嫌う。こいつのように野蛮人ならば、校内ランキング戦で二度と再起できないようにしてやるよ。待つのも飽きた。ボクに挑むものよ。明日があると思うな」
リューク・ヒュガロ・デスクストスという、恋愛戦略シミュレーションゲームで主人公たちに殺される運命にある悪役貴族に転生した主人公。
公爵家の次男として生まれたリュークでしたが……実家は国家転覆を計画しているような悪役貴族であり……ゲーム時代はキモデブガマガエルなんてあだ名がつくほど見た目も正確な醜悪な有様だったみたいですが。
リュークが記憶を取り戻したゲーム本編の十年前の段階では表紙に居るとおり、可愛らしい容姿をした少年なんですよね。
幼少期に母親を亡くしたことで愛情を受けられず。他の家族も彼を相手にしないどころか……父の息がかかった執事長が彼に毒を盛っていたことで、歪んでいったことが分かって。
前世知識を活かして、ゲーム時代の醜悪な自分にならないように美容に気を使ったり、魔法の特訓に打ち込んだりもして。
ただリュークの目的は実家の悪事に加担するのを辞めて断罪されるのを回避する事。後ろ暗い事しなければ、貴族として暮らせるだけの環境はあるから怠惰にそれを享受したいというもので。
怠惰に過ごすために、魔力を球状に固めた存在を動かすバルーンという魔法を編み出したり。「睡眠」と「怠惰」という2つの属性魔法にもリュークは目覚め、修行に打ち込んでいましたが。かなり凶悪な性能をしてましたね……。
父の息がかかった執事長が毒を盛ったことで、実家もまた敵であると判断したリューク。怠惰な彼は、実家の悪事を暴いたりするつもりは無かったみたいですが、怠惰な生活を守るためならば徹底抗戦も辞さない構え。
……まぁ、根は怠惰なのでゲームの流れに沿って、主人公陣営を鍛えることで目的達成しようとしてましたけど。
実家の悪名が轟いているせいで、敵対派閥に連なる名誉騎士だった亡き父に応えようと努力してるゲーム主人公に、入学直後から絡まれたりもして。
主人公、リュークにボコられたことで少し考えを改めた部分があって、そこは評価できましたね。
リュークが本編前に修行していたことで、あちこちのキャラが影響を受けていて……リュークの目的であるゲーム主人公に問題解決してもらう案、どこまで想定通りにいくかなぁ……割と早めに破綻しそうな気もする。