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「聞くに堪えないから、もう口を開くな。思わず手が滑るだろ。まぁでも、そんなクソみたいな口ならなくても困らないだろうし、むしろなくなったほうが世のため人のためになるだろうさ。ありがとうございます、の一言くらい言ってみたらどうだ?」

 

主人公のトーリは、会社への出勤の途中人助けをした末に死んでしまった。

死ぬはずだった人物を救ったことで神様に興味を持たれて、魔法のある世界に送り込んでくれることに。その時に、異世界で生きていけるように「剣術の才能(中)」とか「空間魔法の才能(極)」といったスキルを与えてもらって。

空間魔法は特異魔法と呼ばれるジャンルで広く知られていない。そこでトーリは、剣士として冒険者登録をしつつ、「謎の魔法使い」として活動するムーブで異世界を楽しもうとすることに。

 

空間魔法使いとして初めて活動したときに、高ランクの冒険者チームでも叶わない地竜を討伐したことで、ギルドマスター達が困惑することになってましたけど。

あとトーリ、二十五歳の肉体そのままに異世界にやってきて新人登録したことで、剣士としての表の顔でも「新人遅れ(オールドルーキー)」と蔑称で呼ばれ、パーティーを組むこともままならなかった。

まぁ、空間魔法使いとしてこっそり活動するためにはパーティ組むわけにもいかないので、都合いいっちゃいいですけど。

 

ソロで活動していたら、地竜と戦った際に助けたチームの魔術師であるマリーンになぜか懐かれて、負傷者も出て活動を抑えていた時にトーリと一緒に行動する機会が出来たりもして。

マリーン、記憶が無かったりトーリの魔力に懐かしさを感じていたり、謎の多いキャラなんですよね。……それを抜きにしても、自由人でその時々にやりたい事をやってるキャラではありますけど。

巻末のSS「約束は果たされた」でトーリを転生させた神様が、トーリ自身にも何か秘密があるのを匂わせまくってましたし。というかストレートに過去に異世界救った英雄の転生者っぽいですよね、トーリ。で2度目の転生にあたって異世界に帰ってきた、っぽいですけど。トーリが2度も転生する時間があってなんでマリーンがまだ普通に生きてるのかは謎。

 

マリーンが所属するパーティ白亜の剣のメンバーは、良識のある人が多かったですけど。

冒険者を食い物にするって噂のあるけど、確証がないため見逃されている悪党までいて……トーリに目を付けたことで破滅することになったのは、自業自得でしたけど。

……そんなバカの影響で竜種の脅威を味わうことになったり、事後処理に奔走することになるギルドマスターが一番の苦労人なんじゃないかな……合掌。