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「せいぜい楽しんでくれよ? 俺は勝手に楽しむからよォ!」

 

人類に敵対する魔族が存在する世界に転生した主人公。

前世は男だったが、今世はシャロン・ベルナという可憐な少女に生まれ変わっていたわけですが。前世の時から暴力性を抱えたまま生きていた彼は、それを『悪党』にだけ向ける程度の外面は装っていたわけですが。

魔族と言う人類の敵対者であれば容赦は無用と幼少期から魔族を蹂躙し、敵を打ち倒すことでスキルをカンストさせるまで成長していった。

 

神獣の加護として聖剣を託された勇士・勇者が戦っていたものの……最後の勇者であった人類の希望が死に、魔族の活動が活発になっていたのもあってシャロンとしては「倒していい存在」がたくさんいてウハウハだったみたいですけど。

聖剣を持った人物が死ぬと、殺した相手に武装が移動するため、未熟なうちは戦線に立てない。若い勇士を育てるためにガリレオ魔法学園という場所が作られたけれど……そこは魔族が人類を美味しく育てるための養殖場として使われている、という事をシャロンは知ってしまって。

 

シャロン、悪党だったら叩きのめしていい思想があるため、人類の敵である魔族を蹂躙するのに躊躇いが無くて。

その上、聖剣持ちを殺すと武器を得られるし、聖剣を持たずとも敵対者を殺すことで経験値が入り、スキルを習得したりステータス向上を図ることができる。魔族はそれを利用して人間牧場的に学園を使っている。荒廃した世界とは言え、流石に人を直接殺すのは憚られるけれども、「成長した人間を魔族が狩る。その魔族を自分が狩る」ことでパワーアップを図ろうとするの、状況に適応しすぎている……。

 

タイトルにある通りこの世界、ルート選択を間違えると仲良くなったキャラが殺されたりする鬱ゲー世界だそうですけど。シャロン、そのあたりの知識がない転生者だけど、世界に馴染んでるんですよね……。

シャロンに足りない「ゲーム知識」を持ってる転生者モニカに学園で早期に会えたのは幸いでした。まぁモニカ、原作知識を最大限生かすために犠牲を許容して、その上で自分が犠牲にならないようにモブっぽくこそこそ生きていて……苛烈に世界をつきすすんでいるシャロンとの相性は悪そうでしたが。

いやまぁ、シャロンクラスに我が強かったらもっと衝突激しくなっていたでしょうし、シャロンと言う『暴』の化身に屈するような小物さだったのは、逆に相性が良い……のか?

 

シャロン、魔族の敵として戦闘関連のスペック伸ばしまくってる他にも、演技スキルもカンストしてて、「無垢な少女」演技を普段はしつつ裏では魔族を殺しまくって「勇者の亡霊」とか言う存在しない敵対者を作って、魔族側を混乱させたりもしてるの上手いですよねぇ……。