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『――いまのあなたは、自分より大切な人ができた』

いつかの自分が、いつかとは違うことを言った。

なにかを生贄にして、なにかを生み出す。

等価の取引に見える行いは正しいようでいて、間違っている。

『だから、自分を捨てないで』

 

ついに復活したアカリ。

危うい場面もありつつもメノウとモモも戻ってきた上でアーシュナまでやってくる、と。

アーシュナは自分の中に【防人】を宿している状態みたいでしたけど、その我の強さで肉体の乗っ取りに対抗している、どころか表面意識を奪い返すまでやってのけるのは強すぎる。

空間を切り裂く【防人】の技を使って一時離脱を決めた4人。

 

体勢を立て直すのに必要な時間を確保できる一手ではありましたが……。

ハクアが封印が解かれた万魔殿を取り込む、という厄介な結果が齎されてしまう事にもなって。厄介人災と相打ちになってくれたら正直楽だったんですが、流石にそういう訳にもいかないか。

強力な手札を得たハクアに対抗するために、分離した小指であるところのマヤが、自分を犠牲に万魔殿本体をどうにかするという生贄案を提示してきて。

けれどマヤの傍にいるサハラを筆頭に、マヤの犠牲を許容するようなことが無かったのは本当に良かった。

 

絶望してもおかしくない戦力を持つハクア相手でも引かない、メノウ達の在り方も良かったですねぇ。

【時】の純粋魔導が人災になったことで、アカリは自由自在に能力を使う事が出来なくなった。それは人災化する危険性がなくなったり、記憶をもう失わなくてよいという福音でもあるわけですけど。

手札の一つが使えなくなったともいえるわけです。ただ、人災化したことで純粋魔導が世界に人がり人に使える魔導に落としこまれる、と言う設定がここで生きてくるのはなんか好きでしたね。

 

ハクア、長年この世界に巣食って色々やっていた人物ではありますが……アカリが「彼女もまた純粋概念に振り回された日本人じゃないの?」と言ったのは目から鱗。

ハクアの過去も今回描かれることになりましたが。理想郷とは言わないけれどうまくやっているつもりだった都市上層部に裏切り者がいて。純粋概念を宿した仲間がその凶行を見逃していたことも分かってしまって。

【防人】の介入によって加速した部分はあるでしょうけど、どこかで破綻は避けられなかったかもなぁ……と言う気持ちにはなりましたね。