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「あんたはこのガキに負けた。そのガキが俺に判断を委ねた。そして俺は判断した。
俺の判断は、このガキの判断だ。
敗者は勝者に従え。負けた奴の意見なんて聞く必要あるか? 死にたきゃ勝手にこの国以外で死ね。負けた奴が殺せなんて命令するなよ」
ニア、三年生の二学期。
ついに王国武闘大会が開催されることになって。
周辺国まで参加者を募ったところ実に一万人以上も集まってしまい、運営の王国側も驚く羽目になったみたいです。
国王はあまり武術に詳しくないので名の知れた冒険家とかをピックアップするために騎士を動員したりもしていたようですけど……騎士たちは書類仕事には疎く、それなのにエントリーはどんどん増える。
予想以上の状況に、逆に「どうやって参加者を減らすか」を考える必要が出て来たのは……嬉しい悲鳴ではあるか。
高名な冒険家などが乗り出してきたから、学生の参加を禁止にする。武器ありと武器なしで部門を分けることで、予選を同時並行で行えるようにするなどなど。
両部門ともに優勝者に5億だすことにして出費は増えてましたが……まぁ資金も潤沢ですからねぇ。
夏休み明けのニアたち、魔法映像に掛けてる三人娘たちの会話が「控えめに言って亡命を考えた」とか「現場スタッフが何度か逃げようとした」とか出てくるあたり、地獄スケジュール組むのリストン領だけじゃないんか……。
いまは普及のために勝負する場面ではあるんでしょうけど、それはそれとして今から修羅場が常態化してるのは本当良くないと思いますよ……? って気持ちも沸く。
レリアレッドの姉であるリクルビタァ。魔法映像における紙芝居の立役者である彼女が、武闘大会の参加者のポスターを描くことになっていたのは、絵の腕だけ見れば適任でしょうけど。
引きこもりすぎて当人の気質が向いてないんだよなぁ……ニアが手伝ってくれてよかったね……。
ニアがかつてぶっ飛ばした剣鬼アスマが、彼なりの境地に辿り着いた上で乗り込んできていたり。裏社会の住人も多数潜り込んでいました。
まぁそもそもニアがこき使ってるフレッサとかアンゼルも、後ろ暗いところのあるやつなんですけど。
アンゼル、恩義のある人物が彼の優勝に賭けたせいで勝ち抜く必要が出て来たけれど……表舞台で目立ってしまうと、過去の経歴が明かされて後ろに手が回ってしまう。かといって、目立たないように努めれば優勝は出来ない。
なんだかんだ酒場のマスターが気に入ってるアンゼルでしたが、拠点が出来て人の出入りがある関係で出場も知れわたってしまったので、今更偽名を使っても意味は無いだろう……と裏社会の住人ならではの悩みを得ていたのは、ちょっと笑ってしまった。
最悪国を出奔する必要がある、全然笑いごとにならない状況ではありますけどね……。
一年ちょっとで数億稼いだ生ける伝説。この大会の為に作られ、大会で優勝して消えていく予定の冒険家リーノ。
そんな重責を背負ったリノキス、潰されそうになってたみたいですが……事ここに至って吹っ切れたのは、まぁ良かったのでは。ちょっとやりすぎている冒険家相手に「一発KO宣言」して成功させたりもしてましたし。
他にもニアの薫陶を受けたガンドルフが、名の知れた冒険家を撃退してたり、ニアがやりたがった大会に、彼女に影響された人々が多く参加してるの見てて楽しかったですね。