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「ああ、そうだ! それでいい! そうすれば……このナダール教国の男たちに『女の尻に隠れていた』と陰口を叩けるものはいなくなる!

 命を惜しむな、名を惜しめ! そなたらは誉れ高き勇者だ!」

 

WEBは完結してて2巻まででその部分を収録し終えたので、完全書下ろしで送られる第3巻。さらに4巻の発売も決まってるとかで、楽しみですね。

 

神殿騎士メリダの薦めで、聖女認定を受けるべくガレリア諸王国連邦の南にあるナダール教国を訪問したローズメイ一行。

メリダは彼女達に良くしてくれましたが……元々北方と南方で断絶のある国柄なこともあり、船の寄港を許されない政治闘争が起きたりもして、長々と行軍する羽目になったり。

かと思えば、帝国の隠密が隠れ蓑にしている商会が故あって立ち往生しているのに遭遇。そこで、因縁のあるシーラとローズメイが再会することにもなって。

 

シーラ、あの最終盤面で死んでも良かったと思っていたから、ローズメイ相手にも引かず、相容れないけど慕っているという独特な立ち位置で近づいてきて。

そして重宝されている工作員らしく、ローズメイにも利益を齎してくるので、思う所がありつつもローズメイも受け入れざるを得ないの立ち回りが上手いと思いましたね。

 

苦労しつつ訪れたナダール教国では、高位貴族たちの間で『後添え』という死後の付き添いをさせるために女を攫ってきて殺すという因習が残り続けていて。

それを目の当たりにしたローズメイは激怒し、その因習を享受し続けて来た貴族を打破するために動き始めることに。

そうして苛烈な意思を示したローズメイの下には、かつて同じように因習を打破しようと立ち上がったものの討たれてしまった反乱軍の生き残りだとか。今まで立ち上がる事の出来なかった騎士たちなんかも合流して、異国の地ながら軍の形を取れているのはさすがローズメイというか。

 

教皇もこの因習には思う所があり、ローズメイ達の勢いを増すような助力をしてくれたり。その一方で責任を負うために立ちはだかったりと、かなり難しい立ち回りをしていましたが。

……いや、善性の人なんですよね。因習を許せず打破しようとした過去を持つ人であり……それを為せず、縛られることになってしまった人。

この最終局面で自分を裏切った相手に、「お前の行いがお前に返った」と言いに行ったりしてるの強かだな、というか。やるべきことはしっかりやってて偉い、というか。

今回、海神がその意思を示してくれましたが、全知全能故に見通せず結果的に良くない結果を導いてしまっただけで、善性の神だったのは良かったですね。

 

この世界の神様、人々の信仰の影響を受けるので、この『後添え』の件が知れ渡ったら悪神に堕ちるだろうと、その前に自身を滅ぼせとローズメイに言ってくるのとか、神様の視点だなぁ……って感じがして、貴方の行いを拡大解釈した貴族が悪いので、恨むのも微妙に筋違いなんですが。最後に筋を通して逝ったので、なんだかんだ嫌いにはなれない良い神様だったんだと思います。