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「……少し違うな」
「少し…と言いますと?」
「殺し“も”ではない 殺し“を”受けているんだ」
29話~37話を収録。
シアーシャは臨時パーティーを組んで冒険者として活動を積みに行くことに。
その間ジグは手が空いたわけですが……町では、冒険者が何者かに襲われる事件が発生。恐らくは同業者と思われるため、受付嬢に絡む輩も出てくるような状況で。
それでも誰か確定したわけじゃないので「情報を精査して、正統性が確認されたら連絡する」と答えられる受付嬢、強い。
斬られた冒険者が、クランに所属していたこともあって犯人探しに躍起になる仲間も当然いて。
凶器が双刃剣だと思われる事。殺しを請け負う傭兵稼業であることから、ジグに疑いが向くのは……まぁしょうがないっちゃしょうがない。
ジグも仕事に矜持があるから、依頼周りの情報に関しては口が重く、力づくで喋らせようとしたクラン・ワダツミ側の対応は、冒険者らしいけど悪手でしたねぇ、と外野からは言えますが。
仲間の仇討ちに燃える敵対者に囲まれて、自身は無手。
人数の利で武器を拾う隙すらない状況でも慌てず、「お前が武器になるんだよ」と人を振り回すのにはちょっと笑っちゃった。
仲間の為に武器をとった連中だから、盾で防いだりしたら仲間の頭が割れると動きが止まって、付け込まれることに。ちゃんと死ぬ前に放り出してる当たりは優しい。
ジグも落としどころを探り探りやっていたから、その後の交渉の場でも妙な空気になりかけてましたが。シアーシャがやってきて、ひっくり返してくれたのはまぁ良かったか。
話がまとまってしまってからでは、余計にこじれたでしょうし。
ワダツミが暴走してしまうのも分かるくらい、ジグは怪しい要素そろい踏みだからなぁ……。
でもギルドで受付やってるワダツミ関係者の姉が、「九分九厘そう判断できるとしても、迂闊な行動にでるべきではありません」と冷静であろうとしてるの、好きですねぇ。良いキャラが多い。