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「そんなの、簡単じゃないですか!」
(略)
「寄越せと言われても、いや寄越せと言われないだけの力を我々が身に付けた後、公表すればよいだけです」
バツイチプログラマーな主人公マツモトイサムは、離婚後に織姫と名付けた猫を飼い始めて、世界一可愛いと愛でて暮らしていたが……ある日、織姫と一緒に異世界に召喚されることに。
魔法やスキルのある世界で、異世界人が定期的に呼び込まれる場所があることや、さらに異世界人は、強力な固有のスキルを持っていることも判明していた。
異世界人……迷い人の保護は王とその派閥のみの特権とされていたみたいですが。迷い人を巡って内乱がおきた過去もあるため、今では複数貴族の監視下で、順番に庇護者として迷い人を確保する形式になっているとか。
ただし、迷い人の持っているスキルと同系統の物を自派閥で持っていたり、水が豊富な土地に火の加護持ちを招いても宝の持ち腐れだから、ある程度の順番の調整は認められている……という建前で、有力な貴族は順番を後ろに譲って「わかりやすく有能な迷い人」を待つなんてこともしてる模様。
イサムは「魔法検査(マギ・デバッカ)」という、魔法の流れを見られるけど操作は出来ないというスキルを持っていて。今回の担当だったフェルカー侯爵には、不要と判断された。
繰り下がって彼を引き取ることになったのがクラウフェルト子爵家。
古い家系ではあるが、クズ魔石と呼ばれる魔石しか取れないため下に見られていたようです。
ただイサムとの相性はかなり良かったですね。貴族としての義務は自覚しつつ、変に偉ぶることもなく、迷い人であるイサムの事を尊重してくれてますし。
イサムのスキル、現代では失われた「魔法語」が解読できるということが発覚して、新しい技術を次々生み出していくことになって。
さらにはイサムと一緒に異世界に召喚された猫の織姫もまた「迷い人」として特別なスキルを得ていることが判明して……。この世界には愛玩動物としての猫が存在せず、メインキャラが次々ねこかわいいと虜になっていったのは笑えましたけど。可愛さを抜きにしても、固有スキル持ち2人確保したわけですから、クラウフェルト子爵家は大勝ちしましたねぇ。