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「……成り得ぬでしょう。たかだか一年で、人がこのようには」
(略)
「あなたの足元だ。それで漸く」
校長を筆頭に頼もしい戦力が不在の中で、異端との戦いに臨むキンバリー。
ファーカーが教師として潜入した上で目指した、キンバリーの迷宮の奥にあるもの。双杖ならあるいは成し得たかもしれない偉業について。
そういった真実が明らかになってくれたり、新たな魔剣がお披露目されたりと面白いシーンは多数ありましたけど。
敵も周到に準備して仕掛けてきているだけあって、かなり追い込まれていて。
そんな中でも抗い続けているオリバー達をはじめとした生徒たちの奮闘が、輝いて見えました。
卒業生のティム先輩が最寄りの町で奮闘し、自身の体質を生かした上で敵に迫っていたのは熱かったし。
エンリコダミーから悪魔の誘いを持ってこられていたピートが、一度は断った上で代案があるならそれに乗ったり……いざ一歩踏み出したらノリノリだったりするのとか面白かったですけどね。
ただ……どうしたって、犠牲は出るんですよねぇ。
最善としては無血開城を目指していたファーカー、対立が明確になってからも犠牲が少なくなるように立ち回ってはいて。そんな彼の思考を読み切って、罠に誘導したミリガンはお見事ですけど。
そこに戦力を割いた関係で、敵の鍵屋とリタ達4年生の後輩組が対峙する羽目になってしまったりとかもしましたし。
苛烈な戦場の中でオリバーやロッシが、傷を負いつつも調子を上げて格上に食らいついていったのも良かった。
最終局面で殿を務めたオリバー達の負担を肩代わりした彼を思うと、どうしようもなく悲しいですけど、少しでも多くが生き延びてくれたのは良かったと思います。
……それとは別に、今回校長先生を筆頭にキンバリーの魔人たちの実力を垣間見る事が出来たわけですけど、オリバーの復讐のためにはアレを蹴散らさないといけないの……無理では? って強さで、これまで引っ張っただけの事はあるなぁ、とも思いました。