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「私はソウシさまとずっと一緒に居ます。他のパーティになんて行きません」

「え? ああ、もちろん俺としてもその方がありがたいよ。大丈夫、フレイニルが嫌と言うまで一緒にいるから」

「嫌なんて一生言いません。だからずっと一緒です」

 

社畜リーマンだったソウシ。

彼は気が付いたら異世界で目覚め……そこでは、特殊なスキルに目覚めた覚醒者と呼ばれる人々は、ギルドに加入し冒険者として活動する義務を負うとか。

なにも分からないまま呆然としていたソウシにギルドの事教えてくれた人が「どこぞの村から『覚醒』して追い出されたんじゃろ」的なことを言ってたり。貴族であっても家を出る必要があったりするみたいですから、覚醒者の義務はかなり重く……一方で厄介な物でもある模様。

 

多くは1525歳の間で覚醒するなかで、アラフォーリーマンだったソウシが覚醒したのは稀有な事例で。

この世界の常識に疎いし、年齢差もあったりしてソウシはソロで活動を開始。

彼なりに安全マージンをとりつつもダンジョンに挑み続けて。メインはソロではあれど、他の冒険者と多少の交流をしながら自分を鍛え、実績を積み上げていくことに。

ソウシは最初の拠点であったトルソンの町近くである程度鍛えて、別の町に移ることにして。そこでもトレーニングとダンジョン探索を続け、上を目指す「冒険者らしい冒険者」としての活動を続けていたわけですが。

 

そこでソウシは明らかに出自が良さそうで……しかし、覚醒した為に冒険者になっただろう少女フレイニルと遭遇。

困っていた彼女を助けるためにパーティを組んで、フレイニルを鍛えていったら妙に懐かれてしまって。……懐かれた通り越して軽く依存に踏み込んでそうですけど。

異世界でいつまでも一人きりなのもソウシにとっても良くないし、縁が出来るのは悪いことでは……ないんじゃないかなぁ。多分。