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「レイズ様の意思を継ぐ、ルデクを救うって、約束」
「ああ。守るよ」
ロアの知る歴史において、ルデク最後の勝利として記された屈指の戦果を齎した『レイズ=シュタインの大遠征』。
「最後の勝利」とある通り、その後ルデクが亡国と課す流れが激化していくわけです。
これまでもロアの行動によって歴史は変わってきており、彼の知るタイミングよりも早く『大遠征』が発生したわけです。ロアはこの戦いの後にレイズに自分が未来を知っている事を打ち明けようと決意し、戦場に赴いたわけですが……。
ロアが故郷の悲劇を回避するために手を尽くしているように、ルデクを滅ぼそうとする裏切り者たちだって、変化した状況に合わせて行動してくるんですよね……。
大遠征に合わせてルシファルが配下を動かし、ルデクの希望となりうるレイズを排除するための手を打つのは敵ながら、間違いのない一手ではあると思います。
ただ第10騎士団にはロアという特異点がいるので、敵の思惑通りにはいかないんですけどね。
レイズが暗殺者の一撃に倒れ、死の間際に「ロアは未来の知識を持っているのではないか」という推測に辿り着いていたのはお見事。
そして自身の死すらも利用して、ルデクのために動いたレイズは本当に偉大ですよ。そんなレイズから評価されたロア。もとより、故国の滅亡回避のために尽力するつもりだったでしょうけど、真剣さが増したというか。覚悟がより強まった感じがして良いですね。
ロア、グランツの想いをくみ取れない場面があったり、まだまだ未熟な部分もありますけど。そんな中でもレイズの薫陶を受けている、軍師としての才能をいろんな人が感じ取っているのが好き。
レイズの策と第10騎士団をはじめとする各騎士団の奮闘で、裏切り者たちの動きを掣肘できたのは良し。そうやって出来た時間で、本来の歴史ではあり得なかった「帝国との同盟」という札で状況を変えようとしているのがロアらしい。
少しでも同盟成立の確立を上げるために、ロアは出来るだけのことをして……そしてついに、幾人かに自分の秘密を打ち明けることにもなって。
ロアの歴史改変によって本来とは違うタイミングで失われた命も、確かにありますけど。それでも救われた者だっているんだと喪失の後に描いてくれるのは良かった。