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「――資格は要らないよ」

そうだ。資格は要らない。

「必要なのは、勇気なんだ」

 

合宿を終えて学校生活に戻ってきたイツキ。

祓魔師として努力して成果もあげて、アヤちゃんやニーナちゃんと言った友人もいる。トラブルには事欠かないけれど今世は割と充実してはいるんですよね。

……ただ、空虚だった前世の記憶・経験がそれでチャラになるわけでもなくて。

イツキが前世の自分も含めて自分自身だからと、過去の自分も受け入れて、その上で現世の方が好きだからと受け入れて前に進む姿勢を見せてくれたのは実に主人公していたと思います。

 

ニーナちゃん、母であるイレーナに魔法を教えてもらえるようになったのは良かった。夫を亡くした経験から、母の愛として厳しく指導されているようですけど。

……その横で、イツキが新しい魔法をどんどん習得していくのは、卑屈になって仕方がないというか。

 

更に新たな「魔」が蠢いている気配があり、結界を張っているとはいえニーナ1人を家に置いておくことを心配したイレーナは娘を如月家に預けることにして。

イツキとの距離が近づき、学校でのイベントもあって少し世界が広がりそうな気配があったのですが……。

「魔」は甘くないというか。イツキという脅威に対抗するための策を練ってきているし。その中でニーナが父が死んだときのトラウマを刺激されていたし。絶望的な状況を救ってくれたイツキに依存するような気配が生じつつあって、よくないなぁ……とは思いました。

 

まだ小学二年生という幼さで過酷な経験をし過ぎなのは間違いないし、病んでもおかしくないのは確かです。

でも、ニーナちゃん「イツキが来てくれる」の精神に染まってしまうと、祓魔師にはなれないんじゃないかな……という感想になる。

巻末の断章で、一人前の認定を受けるための試験に挑んだ少女祓魔師のエピソードとかありましたし。家族を魔に殺されて奮起して祓魔師目指す少女、珍しくなさそうでしたけど。あそこで描かれた1人みたいに、傲慢に染まるよりは挫折を知った方が(そこから起き上がれるなら)良さそうではありますが。さて。