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「ヨイシよ。お前は全く大した料理人だ。なあ、嬢ちゃん? こんな良い友人、良い親父は王国広しと言えど中々いないぜ」

「知ってる。私のお父さん世界一だもん」

 

ユグドラとセフィによって、迷宮が攻略されて「元の暮らし」が戻ってきた元迷宮都市。

ヨイシは、ウカノという可愛い娘とアカルナニアという恋人と一緒に、酒場経営を続けていたわけです。

貯金があるのでつつましく暮らす分には問題ないが、ウカノが霞肉を食べないと体調を崩してしまう体質なことが今後の課題でもあって。

 

楽なのは別の迷宮都市に移住することだけど、ヨイシは継いだ酒場を離れることにも抵抗があって。干し肉や塩漬け肉といった保存食でどうにかできるうちに決めないとなぁ……と悩んでいたある日。

ヨイシ達は新たに誕生した迷宮に呑み込まれてしまうことになって。

足元から生えた巨大な樹木に街が半分呑み込まれるような形で、天高く持ち上げられるような形とか、トンデモない事態に巻き込まれたな……という感じ。

 

何が厄介って巨大樹ダンジョンの中腹辺りに街があることなんですよね。

突如持ち上げられたから、入口から町までのルートが開拓されてないし、備蓄にだって限りがある。だからまずダンジョンを下るような形で攻略を進め、応援に来るだろう攻略部隊との合流や物資搬入のためのルート確保をすることになって。

アカルナニア、ヨイシと同棲して結婚まで行くつもりで装備手放してしまってたっぽいのは、思い切りよすぎると思わなくはないですが。「木剣でも岩くらい斬れる」そうですし、迷宮誕生の噂を聞きつけてトンボ帰りしてきたユグドラとセフィとの合流にも成功してるから、ある程度なんとかなる想定ではあったんでしょう。なんか普通に亜竜とか仕留めてるしな……。

 

迷宮に呑み込まれたことでどうしたって食材不足の状況はあった。領主が備蓄を放出してパンと水だけは確保できたけど、食卓に彩がない。

だからこそ、これまで多くの迷宮食材を食べられるようにしたヨイシには期待が集まるわけです。実際、いくつも調理方法見出していたのは流石の一言。

余所の貴族令嬢が弟子入りしにくるだけのことはある。最初の弟子入り理由は食い意地でしたけど、貴族としてちゃんと抑えるべきところは抑えてて、ヨイシの教えを自らの領地を豊かにするために生かそうとする気概があったのは良かったですね。