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「私の幸福を望んでくれるかたが居ました。だから私は私のために生きます」
訳ありで故郷の村を離れ、帝都で女中として働く少女・珠。
彼女は、妖怪が見える特殊体質で……勤め先のお嬢様が、妖によって池に落とされそうになったのを助けても、一般人には妖が見えないために誤解されてしまったり。
他にも妖たちの仕業が珠のせいと思われてしまい……彼女は短期間でクビになることを繰り返していた。そのため、仕事を紹介してくれる口入れ屋からも新たな仕事を紹介してもらえなくなってしまって……他の口入れ屋を回ったりして、なんとか暮らしていたみたいなんですが。
そんなある日、妖怪が見える口入れ屋の店主・銀市と出会って。
またしても疑いをかけられそうになっていた珠を助けてくれた銀市の店で、一時的にお世話になることになったわけです。
タイトルにある通り、珠は故郷の因習によって生贄扱いされていた少女で。それ故に人との交流経験も少ないし、かといって妖怪との付き合い方を心得ているわけでもなく。
同じ店で雇われている猫又の瑠璃子が、彼女の事を「赤ん坊に求めるレヴェルが高すぎた」なんて言ってましたしね……。
自分の気持ちとか、好きなものとか。そういうのを発露する踏ん切りがつかなかったり。
そもそも彼女の故郷の村での扱いも、働きに出た先でも散々な目に遭っているけどそれを受け入れていたりする。
そんな彼女が、少しずつ自分の意思を示せるようになっていくのが良かったですね。