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「魂そのものの役割も記憶も、それらは全て過去の情報だ。今の家族も周囲も、そして自分自身も異なる」

(略)

「だから今ある自分がすべてで、そのままで構わない」

 

和菓子屋の娘として生まれた主人公のミナ。

職人としての父を尊敬しているし、父の作るお菓子も好きだったけれど……父が洋菓子を敵視して、家族にも食べるのを禁じていたのだけは不満で。

……そこで、意を決して洋菓子職人を目指すため製菓学校に通うことにして。父とは当然喧嘩することになったわけですが。そうして色々勉強して、卒業前に帰省しよう……としたそのタイミングで異世界召喚に巻き込まれてしまって。

 

混乱しながらも、異世界召喚なんてしでかす国の人間に、自分の情報を渡すのは良くないと先んじてステータスをチェックして、偽装が出来ないかチャレンジしていたのはお見事。

実際、ミナは『聖女』なんていかにもバレたらヤバそうな職業を得ていたわけですしね……。

自分の情報を隠し、かわいこぶった演技で適当に他の召喚者へ目を逸らし、召喚国に庇護されるのを良しとしない意思を強く示した相手に助言までして。

召喚直後に巧みに振舞って、召喚場所に居合わせた他国の人間に保護してもらえることになったのは何よりでした。

 

その他国の人々は、召喚には関与していなかったけれど、予言によって立ち会うことを決めたわけですが。タイトルにもある通り、ミナの番……運命の相手である竜王もまたそこにいて。

ミナ、召喚直後に上手く立ち回ったとはいえ、けんか別れしていた父と仲直りしようという帰省の直前に召喚されてしまって。ちょっと一息ついた時に、泣いてしまったのは年相応でしたねぇ……。

 

隣国も「聖女」の情報を政争に使いたがってる馬鹿貴族も居て、理想郷とはいきませんが。

窓口となっている王子様と婚約者、ミナの番である竜王グレンや竜人族の人々など、まともな人が多いですし。

菓子職人としてのミナの齎すものが彼らにとっても利益になっているので、ただ守られているだけじゃない良い関係を築けているのが良かったですね。