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「人には絶対に譲れない、ここを超えたら戦争だという一線があるのよ」

 

9回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛(ラブロマンス)部門特別賞受賞作品。

派遣社員として働いていた女性、八瀬咲良。労働で疲れた彼女の癒しになっていたのが、WEBで投稿されていた小説『妖精姫物語』だった。

同人誌即売会でも頒布されると知った時、迷わず買いに行き手紙を託し……作者である真砂と友人になったわけです。

『妖精姫物語』はとある悲劇を回避するためにループを繰り返す、という展開の物語だったんですが。ある日、咲良は真砂から、『妖精姫物語』は自分が経験した出来事だ、と打ち明けられて。

 

悲劇を回避するために行動する令嬢ローズィア。

彼女に憑依というか、転生みたいな形で成り代わり、ループして悲劇を回避しようとする。

しかし、それが叶わない場合は次の誰かにローズィアになってもらうための引継ぎ期間が設けられているとかで。その期間の間に真砂が記したのが『妖精国物語』で、彼女の願いを正しく受け取ってくれたとして、咲良は新たなローズィアとして活動を始める事になるわけです。

 

真砂の前にも何人もの人が「ローズィア」になって悲劇を回避しようとしたけど、失敗してきた。咲良も真砂の紡いだ『妖精姫物語』で彼女の繰り返した十五回の試行についての事前知識を持った状態で動いていたわけですが。

問題の根は深く、直ぐに解決には至らず。冒頭も、咲良の1回目の失敗から始まりますからね……。それでもすぐに新たな試みを初めて、前に進み続けられるのが良いですね。

繰り返しの中で折れそうになりつつも、解決を諦めなかった咲良の行動がとても尊いと思います。