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「力を用いれば遺恨が生まれる。
だが、そうでなければ納得できない連中がいる。
どうするべきか。
――矛盾を抱えた交渉だ。
だから私が選ばれたのだろう」
電子専売タイトル。
2003~2005年に電撃文庫から刊行されていた『終わりのクロニクル』シリーズ。
あとがきで触れられているんですが、この時期はまだ電撃レーベルでの電子書籍フォーマットがなく、電子書籍としてのデータがなく絶版状態だったとか。
なので「新作としてのクロニクル」として描かれたのが、この『終わりのクロニクル オリジン』シリーズなわけですね。
アイコントーク化したり、電子専売ゆえにページ数制限から解放され、キャラ描写の補完とかがされてたり、そもそも新キャラが追加されたりしているわけです。
オマケに巻末には電撃文庫版の『終わりのクロニクル』まで電子化されて挿入されているんだからありがたい話です。
私が初めて触れた川上作品が『終わりのクロニクル』だったので、なんかすごい感慨深いですね……。
かつて、並行する10の世界と争い、
それぞれの世界が歯車……ギアに例えられ、1st-Gから10th-Gを滅ぼし勝者となったのが、舞台となる現代地球……Low-G。
とは言えその争い……概念戦争の事は公には隠されていて、知っている人物は限られている状況で。
主人公、佐山御言も「知らない側」の人間だったわけですが……彼の亡くなった親族には関係者が居て。
概念戦争から時間が経ち、状況が変化したことで戦後交渉を行う必要が生じ……佐山くんは、祖父の遺産としてその交渉の代表者になる権利が与えられようとしていた。
戦争というだけあって亡くなった人も当然いるし、遺恨だって残っている。交渉と言いつつ荒事も発生するし、命の危機も起こり得る。
だから、絶対相続しろというわけではなくて、ある程度の情報を渡して判断しろってスタンスなのは良かった。
本気になれないという悩みを持っている彼が迷いながらも、進んでいく様子が好きですね。
分かりやすさ重視で、途中佐山御言を主人公と言いましたが……どのキャラも魅力的で、他キャラメインの視点も結構あるので、群像劇的だと言った方が近いかもしれない。
アクも癖も強いキャラが多いんですけど、誰も彼も負けてないのが好きなんですよね。
ネタに走りまくってるシーンもありますけど、台詞回しが良い。
変態悪乗りジジイな大城全部長とかでも、「死者には花束を~」の台詞結構好きですよ。加筆パートで自分でオチつけちゃってたあたり、があまりにも全部長……ってなりましたけど。
大城全部長関連で言うと、御言が「なんと、公開処刑やもしれん」ってやってるシーンも笑えて好き。電撃文庫版の挿絵だとちゃんと「毒」って書いてあるのが芸コマ。