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「貴方は、まだ誰も傷つけていません……わたしが、傷つけさせません」

 

WEB掲載の『サイレント・ウィッチ(外伝)』の外伝2と外伝3に加筆修正をした2つのエピソードを収録した1冊。

ざっくりいうと、偽物の沈黙の魔女が現れて町おこしをしようとしている村にモニカ達が調査に行く話と、深淵の呪術師レイに婚約者が出来る話ですね。加筆部分もボリュームがあって良かったです。

 

プロローグでケルベックにモニカが訪問した際のエピソードが描かれていましたが、沈黙の魔女はつつましい方だから派手な歓迎は出来ないけど、出来る範囲で歓迎の意を示そうとしまくってるの面白かった。

脱獄囚が後一人になっているって話も出てきましたが、鎮痛剤として使われるが幻覚作用と依存性から国内で規制されている「水霊の至高」の製造者だそうで……アイザックが苦い思い出を抱えてるのを見ると、なんかぶつかるエピソードありそうだなぁ……という感じもする。

 

沈黙の魔女の名前を騙った村おこし。アイザックやイザベル、アガサと言った沈黙の魔女過激派が知ってしまったのが運のツキ。

……かと思ったら、ある意味で首謀者も沈黙の魔女過激派というか、魔法戦オタクのディーだったのは……まぁ、はい。相変わらず好き勝手振舞ってるなぁ……。

今回も罰を受けていましたけど、その枷が外れたらまた暴れるんだろうなぁという嫌な信頼がある。

でも優秀なのは間違いないんですよねぇ。今回もなんか古代魔導具の研究をして、なんかしらの核心を掴んだみたいですし。材料がないから再現不可能って言ってますけど、伏せられているのが気になる。

 

「愛してほしい」と言い続ける、呪術師のレイ。

先代・深淵の呪術師ってレイの祖母なんですよね。レイの両親は既に亡くなっているんですが……ある意味呪術師らしいというか、自分を呪ってしまった生き方をして。

その名残がずっとレイの胸に残り続けている……って聞くと、彼のこれまでの振る舞いも多少同情の余地があるか。

婚約者としてやってきた女性、隣国の武家出身だからか逞しくて実に頼りになりそうなのが良かったですね。