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「お前には敵わないな」
「普通にしてるだけよ」
「その普通が、俺には何より眩い」
ate5~ate6の間の逸脱者たちを描く、アリアドネシリーズの完結巻。
シーライア・イーアが20歳になっても、オスカーとの交流は変わらず続いていて。
ちゃんと職場で実績を上げているあたり、シーライア・イーアも努力家ですよねぇ、というか。
資金的に問題はないハズなのに、オスカーはどうしてそんなに忙しそうにしているの? という純粋な質問には、読者目線でも「確かに……」ってちょっとなった。
まぁ、「恋人でも結婚関係にもない無職の男(資産家ではある)が、美貌の女性と親しくしている」よりは社会的な立場を持っている人間が、節度を持って交流しているの方が対外的に通りが良いから……。
アリアドネシリーズでは関係ないですけど、呪具調査のために一定期間滞在するときとかも、何かしら手に職があるのを装った方が良いでしょうし、そうした習慣もあるんだろうなぁ、とは思いましたけど。
オスカー自身も「ここまで多忙にする理由はないな」ってことにシーライアに聞かれて今気づいているの、仕事人間すぎる……。それが苦にならないタイプなのは、分かりますが。
エギューラ症候群によって病人であるうちは心配の目で見られていたけれど、少しずつ健康でいられる時間が増えたことで、生来の美しさが人目につくようになり……。
他の会社と共同でのプロジェクトの懇親会でも、好機の目を向けられて、同期のローデンくんから「来なくてよい」とシーライアが追い返される一幕とか、地味だけど好きです。
ローデンくんがシーライアにあたりが強いの、好意の裏返しではあるんだろうなぁ……と思っていて、このシリーズ読んでて「いつか暴走するかもな……」とか考えていたんですが。
暴走したのは他の勢力で、なんか逆にホッとしましたね。不器用だけど、ちゃんと抑えるべきところ抑えている子だから多分良い出会いがあるよ……。
長らく見つかっていなかったエギューラ症候群の発症者であるシーライアを助けるために、過去の技術が掘り起こされたわけですが。
発掘しなくてよい過去まで現れかけたのは……人の業の深さというべきか。オスカーがサクッと解決してくれたのが良かった。
その後、シーライアが「自分はオスカーと結婚するのだろうか?」と考えて、また変な行動取り始めていたのは、彼女らしいというかなんというか。弟からも「恋愛でも面倒な人」と評されるのも納得しかない。
でも、面倒でもちゃんと向き合って。オスカーが彼女の心を揺らしてくれたことで、ちゃんと恋して結ばれたのが、本当に温かくて幸せでした。
……え? 最後の一文? 知ってたからノーダメージ(致命傷)です。
シーライアから継続して『小雨都』に行くんですよ、彼女は……。知ってた……(ate6P64~65あたり)。