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「俺にとっても俺の夢にとっても お前は本物の不死鳥だよ」
44話から48話、描き下ろし漫画「広がる炎」、書き下ろし小説「王都でフォルケに付きまとう影」を収録。
表紙も、扉絵も、そして収録されている最初の44話のシーンからも分かる通り、フォルケ回からスタート。
ノスキュラ村教会付きの神官である筈のフォルケが、なぜか領都にいる。
……それは、アッシュによって蘇った彼の夢、古代語研究の成果が認められて研究費を出してもらえることが決まり、王都に戻ることになったからだという話で。
その話を聞いたアッシュが、本当にわがことのようにパッと笑顔になるのが良いですね。
フォルケが自然に膝をついてアッシュと目線を合わせてるのも良いし、絶望していた回想のシーンではドンドン顔が下に向いていくのに、膝ついていたのもあって、アッシュに礼を言うシーンでは彼を見上げるような構図になっているの、漫画が上手い……。
アッシュの方も、最初に出会った自分と同じ夢追い人であるフォルケ相手に敬意があって真摯に向き合ってる場面が好き。……その後お互い照れて、いつものジョーク言い合う距離に戻ってるのも、らしくて良いですよね。
まだ読み解けた範囲が狭いけど、古代語の解説してくれるシーン、フォルケの仮置きではあるけどフリガナ振ってあるのちょっと面白かった。今の文字とはだいぶ違うんですよねぇ。後のコマのおさらいで触れられている通り、似てる文字もあるっちゃあるんですけど。
あくまで仮定だから、細かな間違いは絶対あるって前提に立っていたり。
その話を聞いたアッシュの意見も検討事項としてメモしていたり、どっちも研究者的な思考がしっかり身についてて良いですよね。そうやってやり取りしているシーンの「ふふっ」ってアッシュが笑っているコマが好き。
そしてフォルケからちょっと気になる話を聞きつつ、十二歳になったアッシュ君はまだ軍子会のメンバーでありながら、領主館のお手伝いをすることに。
……実力が認められた結果、量がとんでもないことになったりしていましたが。
アッシュを筆頭に当代の軍子会のメンバーの多くが有能なのは確かですけど、子供たちすら頼りにしたくなるほどに忙しいんだな……というか。これで一部だっていうんだから、そりゃイツキが忙殺されるわけだという嫌な納得がある。
アッシュが働く場所に配属された新人寄りの侍女レンゲの名前も明らかになったりしたわけですが……彼女の登場シーンに周囲に咲いている花レンゲソウですかねぇ。こだわりを感じる。
そうしたお手伝いを終えた春に、クイドさんの商会を訪問したりして。
順調に従業員が増えていたり、商人の伝手で仕入れた重要そうな情報をアッシュ君に流したり、ケチな行商人していた時よりも随分と器が大きくなってるなぁと思いました。
そうやって成長を感じると言えば、48のマイカですよ。相変わらずアッシュ君にメロメロな彼女ですけど、恋に溺れすぎることなく自己研鑽にも励んで、彼についていこうとする覚悟を感じる。
同室のレイナが知らない予定変更をアッシュから聞かされたことで、アッシュパワーで通常の行事じゃなくなったんだなという、裏の意図も速攻で察してましたしね。
懐かしきノスキュラ村の森で行われることになった野営訓練。アッシュ君が森を背景に、正面を向いているイラスト、1巻4話の山菜取りの時の構図を思い出しましたし、その時より頭身が伸びてているのが良いですねぇ……。懐かしくもあり、変化も感じる。
描き下ろし漫画ではフォルケとヤエの神官たちのやり取りがとても良かったですし。
描き下ろし小説でも描かれたフォルケの王都でのエピソード、タイトルは不穏だし、実際因縁のある相手のこと思い出したりもしてますが……王都にいるサキュラ辺境伯であるゲントウと良い縁が結べたのはラッキー。
カバー裏で軍子会のメンバーの名前が示されていたのも嬉しいですねぇ。一応モルド一派も掲載されていたのはなんか笑った。あんなでもネームドだからね……。