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「わかるか? 国など所詮は群れの延長線上のものでしかなく、であれば群れに属する大半の者に益しなければ、存在価値そのものがないのだ」
主人公のカイ=レキウスは、一代で大陸を平定した覇王。
すべては戦乱に満ちた世界を統べて、平和な世界を目指したかったための行動で……。その理念は尊いものではありますけれど。
カイ自身は、大陸制覇の過程で敵も味方も多くの犠牲を出し、口さがないものからは「流血王」とすら呼ぶ始末。
そんなカイがそのまま王として君臨していては、国が危うい。だから自分と真逆の仁君と評価されている弟アルに、後を託すことにした。
……とはいえ、カイもただ死ぬつもりはなくて。
自分が極めた魔術の秘奥と儀式をもって、生まれ変わる算段を立てていたって言うんだから、やりたいように生きてるなぁ……というか。
どうせなら魔術をより深く修めていくために、不老不死不滅とされる吸血鬼の真祖になろうって企てて、三百年後に実際転生を果たしているんだから凄まじい。
しかし……カイとアルが力を尽くして作った国は、アルが生きている間は安定していたものの……アルが次代に恵まれなかったことで次第に崩れて行って。
カイが大陸統一の際に、廃止したハズの貴族制・奴隷制が復活していたり。
理由があるとはいえ、魔術の知識がかなり廃れていたり。カイが期待した未来からは程遠い有様で。
かつて自分たちが建国した国が帝国と姿を変え、戦乱の世ってわけではないけれど……統治者の中には腐った人材も多く紛れ込んでいる有様で。
目の前の悪逆を許すことはできず、都市を開放し、差し向けられた軍隊を蹂躙し。弟と二人で目指した理想を穢されたことの報いを、現代の腐った統治者に向けていく。
一方で有能な人材は受け入れたり、過去見たことない技術を振るう相手を認めたりして、少しずつ人材を増やしていってますけども、まだまだ道半ばって感じですねぇ。
現状カイの実力がとびぬけていて、危なげなく読めますけど。三百年の積み重ねで足元をすくわれる事とか、あるんだろうか。