「魂とは、生きる意味、戦う理由、進むべき道。そうしたことが揺らいでおるから、迷う。行き先が分からぬ舟は、どんなに穏やかな海でも前に進むことは出来ん。逆に、どんなに荒れた海原でも、灯台の光さえ見えれば船は前に進むことができる。そういうものじゃ」
そこまで話すと、ヴァリエガータは彼を見つめた。
「まずは魂を定めよ。さすれば自ずと迷いは消える」
表紙にも帯にも、あらすじにすらいるので、はっきり言ってしまうと・・・
なぜかヴァリエガータさんが復活してます。
エリザの武器をあっさり折ってしまうほどの実力をもった剣聖、デュランダル。
冒頭からいきなり彼女に襲われ絶体絶命になった二人をヴァリエガータが救う、という流れで。
長らく聖剣を使ってきた副作用か、大概のことでは死なない身体となっているそうな。
まぁ、その代り、近いうちに剣魔と化すだろうことも自覚しているとかなんとか。
一種の妄執にとらわれているような感じすらするエリザだけではなく、剣聖である彼女の口から剣魔について語られると、やっぱり重いものがありますなー。
いや、前回の最期でつながるものではあるとはっきりしていたわけですが。言葉にされるとまた。
そして、折られた剣を修復するため、それだけではなく力を得るため、主人公ズはヴァリエガータと行動を共にする。
ヴァリエガータの心当たりのある鍛冶師の元に行ったり、稽古をつけてもらったり。
前回4人一気に倒していって、どうするんだと思いましたが、今回は一人だけに集中していました。
その分じっくり描かれていた感じ。ヴァリエガータは1巻においても、エリザの未熟さを指摘したりと、他の剣聖とは違う面がありました。
それがなぜなのか、とかがいろいろ描かれていてそこそこ楽しめた。
しかし、剣聖も一枚岩ではなく、あちこち自由気ままに動いているような。
剣聖自身が潔癖であっても属する組織まではそうではないとか、今回触れられていた部分もありましたが。
最後に登場した、7人目の剣聖。彼女はいったい何を考えているのか。
・・・稽古をつけてもらってもなお、冒頭のデュランダルに勝てる目が見えないんだが、どーするのかな、アレ。