気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

TOブックス

お狐様にお願い!~廃村に残ってた神様がファンタジー化した現代社会に放り込まれたら最強だった~

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「ほんに、愚かじゃのおう人の子よ」

『あ? 何言ってんだ。今更謝ろうたって』

「そうじゃのう。悔いても遅い。気付くのはいつも、その愚かさの報いを受けてからじゃ」

 

とある山奥にかつてあった集落のなかに作られた稲荷神社。

人が立ち寄らなくなって久しい場所で主人公のイナリは暮らしていた。狐の耳に尻尾を持ち、食事をとらなくても生きていける。人ならざる超常の存在であるわけですけど。

実体を持ったのこそここ最近ではあるけれど、長く人の営みを見守ってきていた彼女は、人の世が気になりこそすれど、自らの住まいでもある稲荷神社でのんびりすごしていた。

 

そんなある日、彼女の住まう集落にダンジョンが出現。

出現直後に居合わせたことで彼女はそのままダンジョンの核を破壊し……ダンジョンを生み出した存在によって「イナリ」と名付けられたり、システムの監視を受けることになったわけです。

ダンジョン破壊の気配を感じ取った、ダンジョンに挑む人々を支援する覚醒者協会の人間がやってきたことで、イナリは人の世に触れあっていくことにもなって。

 

どうにも二十年ほど前にそうやってダンジョンが生まれ、人々はステータスやスキルと言った恩恵を受けられるようになったとか。

多分イナリが実体を持つようになったのもダンジョン出現によって世界のルールが変わったからなんでしょうねぇ。

イナリからしてもダンジョンを生み出している存在は、自分にステータスとかそういったものを押し付けてきたり、所在や目的を見抜けぬ強大な存在みたいですけど。

システムメッセージを見ると「ダンジョン破壊を想定していない」、「イナリの力を検知していなかった」などなど漏れもあるんですよね。イナリが結界の中に引きこもってたからかもしれませんけど、人から見たらどっちもどっち感。

 

実際、試しにパーティー組んでみたりもしてましたけど、初心者覚醒者とは隔絶した差があるみたいでしたし。

瞬く間に実績を挙げていく上、自前の狐耳と尻尾を持つイナリはどうしたって注目を集めるわけで……先に活動しているクランから勧誘が来たりするわけですが。中には悪辣なものも居て。イナリが蹴散らしに行ってたのは痛快でした。

 

善良な人の助けを得たりして人間社会に少しずつ馴染んでいったある時、ダンジョンに挑んだ覚醒者チームが音信不通となり、イナリは捜索依頼を受けたわけですが。

そこにダンジョンやシステムを運用しているのとは恐らく違う勢力の神の使徒が暗躍しているのを目撃し……撃退までしてたのはお見事というか。

イナリがいなかったら使徒の手によってかなり大きな被害出てたでしょうけど……既に結構浸食されてそうなので、今後の課題と言うか心配事項が多い。

転生陰陽師・賀茂一樹~二度と地獄はご免なので、閻魔大王の神気で無双します~5

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「荒ラ獅子魔王に限らず、陰陽師にはリスクが皆無ではありません。私は、陰陽師でございます。陰陽師を辞める気はございませんので、保険をかけておきたいのです」

(略)

「難儀なことじゃ」

 

天狗の羽団扇を作って陰陽師全体の戦力の底上げを図ったり、沙羅が得た羽団扇の持つ治癒能力によって引退していた陰陽師が戦線に復帰した。

初接触の時は撤退を余儀なくされましたけど、その後の対策と準備を怠っているわけではないんですよね。

一樹は占領地への強硬偵察任務なんかにも参加して、魔王の右腕が重症であることを看破してますし。

 

魔王は健在ですけど、羽団扇集めの時も見たように該当地域以外では普通の生活が続いているんですよね。

A級陰陽師だけではなく、普通の学生としての顔もある一樹が、分が差異を楽しむ余裕があったのは、良かったですね。

一樹の通う花咲学園で文化祭が行われることになったものの……一樹も蒼依も、そういった学校行事の知識は疎くて。

沙羅の妹である紫苑や、一樹の妹である綾華が通っている卿華女学院でも文化祭が開かれるのを知り、伝手で入場券を貰い見学に行くことに。

 

……紫苑のクラスがメイド喫茶やってて、からかいを交えて「美味しくなるおまじない」を頼んでいたのは……この2人の関係ならいいか。

そこで旧財閥三戸家の令嬢・愛奈と顔見知りになったりもしてましたが……そのお嬢様が、花咲一族の血が入っていて、犬神を継承する事でA級陰陽師になっている花咲家の当主継承戦に参加していたのはちょっと意外でしたね。

とは言えさすがに陰陽師としての鍛錬をしていた小太郎が勝ち抜くことになってましたが。……愛奈も愛奈で得るものはあったっぽいので、まぁ双方ヨシ。

 

メイド喫茶の視察に行ってきた一樹たちの報告と、伝手もあって一樹たちのクラスでもメイド喫茶をやることになってましたが。一樹がそこで、船の式神を会場に使うとかいう力技を披露し、大繁盛していたのは……良いのやら悪いのやら。

閑古鳥鳴くよりはよいですし、なんだかんだ良い思い出になりそうですけど、想定以上の修羅場経験をする羽目になってたのでそれは流石にお疲れ様です……としか。

 

そして、一樹は魔王討伐の前にもう一つ片づけておくべきことがあった。

それが昇神の道筋が見えていると言えど、未だ山姥になる可能性のある山姫である蒼依の存在で。一樹からの気の供給が絶えると、妖化してしまう。

だからそれを回避できる備えをしておきたい、と龍神から助言を貰ったり。先祖帰りしている五鬼堂家の令嬢・凪紗の助力を貰ったりして、無事にまとまったのは良かったですね。

慕っている主でもある一樹が、自らの死ぬ可能性を考慮していることに、蒼依は不満げでしたけど。とはいえ人間と妖怪で寿命の差があるうえ、一樹がA級陰陽師として危険な任務に向き合い続ける限りはいずれ対処しないといけない話でもあるわけで。

ひとまず、蒼依の問題には区切りがついたのは良かった。あくまで一歩目を踏み出しただけで、今後より高みを目指すならキリがないんでしょうけど。



転生陰陽師・賀茂一樹~二度と地獄はご免なので、閻魔大王の神気で無双します~4

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一樹が過去を公開することに、意味は無い。むしろ余計な気を使われたり、地蔵菩薩の神気を利用としようとされたりと、ろくなことにならないのが目に見えている。

故に一樹は、嘯いた。

「仏の慈悲が大きくて、助かったな」

 

A級を討伐に行ったら、そのA級を使役しているS級の魔王ともう1体のA級が現れて、撤退することになった陰陽師たち。

真のA級と呼ばれる高位陰陽師も1人が引退を余儀なくされる重体だし、1人は殉職したしで大痛手。宇賀さんの予知で、『敵の勢いを弱める』契約に留めておいて本当に良かった。

 

民間団体である陰陽師と違い、国の指揮下にある自衛隊は現状を座視するわけにもいかず。強力な現代兵器での攻撃を続けている模様。「敗走しました。打つ手有りません」と報道すると国民の士気が下がってしまうから、勇ましさを演出してると描かれていたのは……ぶっちゃけたなぁ……って感じではありましたが。

受肉している以上、当たれば聞くし肉体があることで得られる休息などの恩恵がなくなるので、完全に無意味ではない模様。物理的な攻撃だと、殺された後怨霊と化す可能性を排除できず、それに頼り切りなのも良くないみたいですけどね。

 

陰陽師協会をあげつらうような報道も一部ではみられて。協会長の向井さんは、市民からのクレームや政治家たちとの交渉で苦慮しているようです。

A級が不足している現状はよろしくない、と天狗の血を引く五鬼童家の長男に「真の天狗の羽団扇」を作って能力をブーストすることでA級に至らせる計画が実行されることに。

元々数年以内には呪力が成長してA級になるだろうと言われていたけど、現状を加味して待ってられないとなった模様。

 

一樹もその作成に協力する……ついでに、自分の事務所にいる沙羅の分の素材も要求しているの、なかなかに強かになってきましたね。

神の遣いという伝承のある霊鳥相手に交渉に行って「冤罪で地獄に落とされた」という自分の立場も活かしていましたし。そうやって得られた風切り羽で作った沙羅の羽団扇、神仏に直訴しただけあって、頼もしい性能になっていたのは良かったですね。



転生陰陽師・賀茂一樹~二度と地獄はご免なので、閻魔大王の神気で無双します~2

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「我が式神に命ず。周囲の敵を、悉く殲滅せよ!」

 

花咲高校への合格も決まり、絡新婦(じょろうぐも)討伐の際に見せた実力が認められ、B級陰陽師に昇格を果たした主人公の一樹。

式神としている山姫の蒼衣と、C級陰陽師の沙羅を従業員として、小規模ながら正式に陰陽師事務所を開設することに。

受験シーズンは活動を休止していたわけですが、事務所の開設に合わせて同期の安部晴也から2件の依頼が持ち込まれることに。

 

一件目は電波塔に巣食った怪鳥の調伏。

晴也も霊体の鷹を使役しているし、一樹も八咫烏たちを従えているので確かに依頼という形でも助力を乞えるなら頼もしいですよねぇ。

実際問題なく解決はできてましたが、関わる人間が大きい分事後処理の方が大変だったというのは……まぁ、最初のうちに良い経験が出来たという事で……。

 

二件目は、氷柱女に関する依頼。

本体である氷柱が解けてしまうと消えてしまうが、符で霊力を補充したり対策を取れば人里でも暮らせる、共存可能な妖怪らしいです。

そんな氷柱女と結婚した旦那さんと、その間に生まれた娘2人。しかし、絡新婦の一件で符の供給が滞り、今後に触るという事で助命の依頼が来たわけですが。

……奥さんの本性である氷柱を業務用冷蔵庫に入れて保護したとかいう旦那さん、文明の利器を活用してて笑えました。一樹が思わず茫然自失してしまったのもちょっとわかる。

 

晴也が娘に一目惚れしてましたが言葉選びを間違え、実力も及ばずに失敗。

そのあと一樹がフォローして依頼には解決の目途がついていましたが……晴也、続いて一樹を男の付き合いとして式神確保に連れ出して、かなりの大物引き当ててるの、凄いツキですよね。失敗も相応にしてますけど、なんだかんだ死んでないので差し引きはプラスなのでは? 

実際高ランクの妖怪が傍に侍るようになって、ランクが上がっていく道筋も出来たわけですしね。……一樹が、今後式神探しに二度と協力しないと誓うのも分かる展開ではありましたけど。

 

そして一樹自身は紗羅の伝手でA級相当ながら、比較的安全な幽霊船の除霊手伝いをすることになり……巡視船の霊体を式神として使役できるようになり、A級への昇格を果たしたわけです。

事務所開設したばっかだったはずなのに、驚きのステップアップ。

幽霊船を使役するのを認めてもらうために、瀬戸内海に巣食っていた海賊幽霊を蹴散らす依頼を成し遂げたり、やってることの規模がデカい。

将来性も加味してA級六位で、まだまだ上がいるのが陰陽師世界の恐ろしさですねぇ。七位になった花咲とも陸で戦えば一樹はまだ負けると分析されてましたし。まぁ一樹高校進学したばかりの若造ですからね。

 

そして高校では陰陽師同好会を作って、呪力持ちの生徒に声をかけて参加してもらう代わりに悩み相談とか武力行使とかしてましたが……やることが派手だわ。

書き下ろし番外編で「不良のお兄ちゃん」として一樹の妹、綾華のエピソードがあって。訳ありの親友・楓(陽鞠)が、綾華の兄にたぶらかされているかもと他の友人たちに心配されていたのは、ちょっと笑った。

転生陰陽師・賀茂一樹~二度と地獄はご免なので、閻魔大王の神気で無双します~3

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「お人好しだと損をしますよ」

一樹は善狐に向かって内心で、「お人好しは貴女です」とツッコミを返した。

 

共存できる妖怪もいるけれど、妖怪によって支配された領域もある。

そんな世界なのもあって、日本では陰陽師と言ったような対抗する術者の存在は結構知られているんですよね。なんなら陰陽師の試験配信とかされてますしね……。

 

しかし、陰陽師協会はあくまで民間の組織という変わった立ち位置でもあって。

明治期に近代兵器が発達してきたころ、『妖怪退治は兵器で事足りる』と陰陽寮を廃止したことで、首輪の外れた陰陽師たちを纏める形で組織されたとか。

A級陰陽師の認定にも来ていた神格……『御方』様を祭っていたり、A級の上位3名は人に協力してくれる善性の人外であり、長くを生きているそうです。

 

A2位の宇賀さんとか、協会の発足メンバーでもあるそうですし。3位の豊川は500年以上生きた妖狐だといいますし。

今回は一樹がA級になったこともあってその位に見合った仕事を、他のA級陰陽師と協力して片付けることになって。

放っておくと疫病が跋扈して多くの民が死ぬという予言を、回避してみせたのはお見事でした。

 

同好会のメンバーを鍛えて、陰陽師国家試験を受けさせて。

そこで一樹自身のときほどではないにせよ、周囲を驚かせる結果を出していたのはすごいですねぇ。作中の掲示板回でも話題に出てましたが、花咲高校の来年の倍率やばそー。

……と、笑っていられれば良かったんですが。

 

かなり強大な妖怪が復活し、大暴れする事件が発生。

『依頼を受けるなら撃破ではなく、敵の勢いを弱める事を契約内容にして、逃げる算段を付けておくように』なんて宇賀が忠告する位にはヤバい敵で……。

A級も可能な範囲で参戦したものの、損失を出しながら撤退する羽目になってしまって。

疫病問題を解決したことで予知も覆せるという意識が少しあったのか、完全決着の前に「勝ったな」とか一樹が言ってたのは……若さかなぁ。

最初の脅威はあのままなら蹴散らせたかもしれないから、判断が間違っていたわけでもないけど、より強大な増援が来てしまっただけで……。

今回はサブタイトルにあるような無双はあまり出来てなかったなー感。まぁ序盤はちゃんと功績あげてたんですが、そこからの落差がかなりのモノだったので、イメージが上書きされてしまった……。

ダンジョンマスター班目2 普通にやっても無理そうだからカジノ作ることにした

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「ダイちゃん、私達は賭けに出るのが遅すぎたんだよ」

(略)

「ダイちゃん、やろう!」

 

1巻で、異世界に連れてこられダンジョンマスターをやる羽目になり、カジノを設置し人に危害を加えないことで特殊な立ち位置を確立したものの……既得権益であるグランドエイトに目を付けられた班目。

綱渡りな場面もありつつも賭けに勝ち、ダンジョンマスターのランキングトップに躍り出たわけですが……まだダンジョンマスターになった1年ちょっとなのもあって、地盤は全く整ってなくて。

 

元グランドエイトのうち4人が死んだとは言え、元1位のシルヴァーナとその派閥は健在だし。班目は上位8人だった元グランドエイトに対抗するために、燻っていた9位・10位の力を借りていたわけですが……ロンデミオ・ガルガンチュは班目との協力関係はもうないものとして扱っていて。

 

そんな中で班目は、下位でくすぶっているダンジョンマスターたちに「ダンジョン経営」についてのアイデアを提供することで、味方に引き込もうと考えた。

ポイントの強制取り立てによるダンジョン縮小からのリビルド。これが実際に行えるとわかったのは、割と大きそう。……いやまぁ、以前のダンジョンエイト政権下だと騙し合い上等だから、信用をもとにしたダンジョン縮小プランは運用し辛かったとは思いますし。

班目のアドバイスは的確で、それによって底上げを図るプランは効果を発揮していましたが、効果的すぎて支援プランを練ってる班目が仕事に追われる羽目になってましたし。

班目、まだまだ陣営が整っていないので手が届かないところが多すぎるんだよなぁ……と思いました。

 

最下位だったダンジョンマスター・カレンのダンジョン。

辺鄙な場所に誕生してしまい、ほとんど冒険者も来ないので攻略こそされなかったけれど、ダンジョン経営は傾いていた。そこで班目が、「辺鄙なところってことは流通にも難があるってことだから、有益なものを生み出して人が進んでくるようにしよう」とプランを立てたのは、カジノダンジョン作った彼ならではで面白かったですけど。

カレンが班目のダンジョン再生案にのるのも、一つのギャンブルではありましたけど。

 

今回はカジノダンジョンのカジノ要素より、班目のダンジョンマスターとしての要素に深掘りしていくエピソードになっていましたねぇ。

グランドエイトのダンジョンを攻略した四英雄がカジノダンジョンに乗り込んできたり。班目と因縁のある相手が勇者としてこの世界に召喚され、カジノダンジョンに攻め込んできたり。グランドエイトとしてのバチバチのほかに、カジノダンジョンそのものも安寧ではなく慌ただしかったわけですが。

最後に班目が出した告知が、実に彼らしくて笑いました。


魔王と勇者が時代遅れになりました2

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「ああ、人は素晴らしいな。魔王を少しは慢心させてほしいと、贅沢な不満を言いたくなる」

(略)

「おにーさん。人を散々負かしておいて、その反応は酷いのです」

 

魔王として召喚されたイグサがSF文明圏に踏み込んで設立した会社「魔王軍」。

海賊に占領されていたエネルギーステーションを制圧して報奨金を貰ったり、宇宙海賊を狩る賞金稼ぎじみた活動を続けて、実績を積んで行って。

魔王として君臨するものだからか、「身内」を大事にしたいという気持ちが強くなっているというイグサ。SF世界という宇宙にまで舞台が広がった世界では、イグサたちが成果を上げられる位には海賊が跋扈したりもしてるし、命の価値が安い。

 

そんな世界で、身内を大事にするために「最大限、社員の安全を確保する」という方針を打ち出して。勇者ライムや、獣人姉妹のリゼルやミーゼみたいに社員の中には彼の女も複数混ざっていることもあって、生暖かい目で見られているのはなんとも微笑ましいですが。

利益だけを追い求めず、足元も見られている余裕があるのは良いですね。

ちなみにイグサ、死者蘇生の魔法とかまで使えるみたいですが、人間に使うとそのまま高位のアンデッドとかに変質しそうで怖いと言ってるの、ファンタジー世界的なスペックがぶっ壊れてますね、相変わらず。マウスで実験したら、「浸食吸収して異常増殖する凶悪かつ機械な怪物になった」と言ってるので、心配しすぎってこともないのが恐ろしいところ。

 

魔王が最初に魔法生物化させた旗艦ワイバーン。古い機体だからこそ魂が宿って付喪神(というカテゴリの魔物)化させられたみたいですけど。

その手法で意識を持った艦隊と言うのを作って戦力拡大に努めたり。イグサとは違うけれど、似たような形で悪役としての矜持を持っている、一大勢力『隠者の英知』を取り込んだりもして。

さらに『隠者の英知』は、勇者一行の仲間となるはずだった賢者の末裔だっていうんだから、ここにきてSFとファンタジーがより近づいてきましたね。

……『隠者の英知』、長命のエルフが当主を務めてなお七代目になっているそうで、送り込む時代ズレすぎだよ神様……(送り込んだの神様か確定はしてなかったと思いますが……)。

 

イグサやライムが魔法を使っていましたけど、魔法を極めるのは個人の才能に依存しすぎるために忘れられているだけで、『魔法』というルール自体はこの世界に変わらず存在して、イグサたち以外にも魔法使いが現れて仲間になったのは、打てる手が増えていくわけですから良かったのでは。

さすがに魔王や勇者レベルで魔法使えるわけでもなさそうですけど、いるだけで助かるでしょうし。七代目『賢者』のリョーカン、魔法使えるし代を重ねている分この世界にも詳しいしで頼もしい情報源でしたね。



魔王と勇者が時代遅れになりました

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「さぁ、これでお前の罪も誉も何もかもが俺のモノだ。故に俺の罪でライムが悲しみ嘆く事など許さない。わかったか? 存分に頼って依存して、堕落した勇者となるがいい」

「酷く素直じゃない、犯罪者、悪者」

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「魔王にとっては誉め言葉でしかないな」

 

「悪役」や「勇者」に対して一家言ある2人が、それぞれ「魔王/勇者の適性がある」という怪しい誘いを聞き……それを受けることにしたわけです。

そうやって異世界に転生した2人ですが、彼らが放り出されたのは、大気が汚染され人が住めない状態になった星であり……2人は魔王と勇者として相応しいファンタジーな魔法とかの能力を得て異世界転生したんですけども。

この星の人々は星を飛び出して宇宙で暮らしている、SF世界の住人となっていたのでした。

その状況こそ、タイトルの「魔王予数矢が時代遅れになりました」というそのままなんですが。

 

別に彼らが放り出された星に住んでいた人々がその星を捨てたとしても。

魔王と勇者が最初に出会ったSF世界の住人の少女リゼルから話を聞いてみたら、SF的科学技術が発展した世界になっているとしても。

魔王と勇者が獲得した「魔法」というルールもまた、彼らが転生した世界には確かに存在し続けていて。

常人なら生きていけない星で過ごせるように「環境適応」する魔法を使ったり。地表に墜落した宇宙船を魔法生命体……アンデッドとゴーレムのハイブリッドみたいな状態に作り直して、リゼルの常識を破壊しまくってるのは笑えました。

 

魔王と勇者に宇宙船を修理できる技術はない。だが魔法生物化してしまえば、回復魔法でなんとかできる! はルールをハックしてる感があって、リゼルじゃないけどそれアリなんだってこっちも驚きましたが。

……まぁ魔王は一応回復魔法も使えるけど、過剰に回復してしまってエネルギー飽和して死ぬ可能性があるから、と回復は勇者の担当になってましたけども。

回復魔法でどうにか出来る目途は断ったけど、規模が大きいので時間がかかる。ある意味閉鎖空間で男1人に女が2人。そして男は悪に一家言ある魔王ということで、ちょいちょいちょっかいを出して……その結果、食われる側になっていたのには笑った。まぁ魔王自身の行いの結果なので粛々と受け入れてもろて。

 

そして船の修理が終わり、SF文明圏に踏み込み、そこで「魔王軍」という名前の民間軍事会社を設立して、矜持を持たない海賊を蹴散らしたりとかし始めているの、なんだかんだこの世界を楽しんでて良かったです。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~12

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「みんな素晴らしい活躍だったな。1週間みっちり練習した甲斐があったぜ。これで俺たちも憂いなく攻勢に出られる」

 

ついに始まるクラス対抗戦。

戦闘課はアリーナで複数クラスが入り混じるトーナメント形式の「拠点落とし」を行うわけですが。

ゼフィルスが代表として引いたのは第一ブロック。1組・2組・15組・45組・58組・99組・116組という、高位職が振り分けられた50組までの中から5クラスがぶつかる激戦区だった。

2クラス勝ち抜き方式なのもあって、例年は交渉で中級職クラスが同盟を組んで高位職クラスを落とすなんてことも起きていたみたいです。

 

……ただ、ゼフィルスと彼に鍛えられたエデンメンバーはそんな常識に縛られるような存在ではなくて。

リアルになったことでより貴重さが増しているっぽい「上級転職チケット」を、一年生のこの時期に、複数名に使ってるなんてことはまぁそりゃないんでしょうけど。

上級転職を果たしてなくても普通に勝てただろうなぁ……という信頼がある。

ゼフィルスは全力で楽しむために、準備に余念がないので上級職にならないルートは無いでしょうけど。

今回は巻末の番外編が「ゼフィルス〈上級転職〉準備進行中」で、転職用のアイテム集めに奔走していた時のエピソードでしたし。暴走特急ゼフィルスに、セレスタンのサポートがあったらあぁなりますわ……。

 

中級上位のボスの召喚盤、上級転職を果たしたメンバーが諜報、戦闘、防衛と各々の分野で成果を上げて。

50人近い同盟に攻め込まれても守り切ったシェラ、味方だと実に頼もしい。未発見ジョブでそれだけの強さを見せつけられた人々の心境は穏やかじゃなさそうですけど。

偵察役として山上に座り込んで眷属猫傍らにいるカルアの挿絵とかも可愛かったですよね。

そして1組が大暴れした結果、タイムアップが常だというクラス対抗戦が一時間掛からないで決着とか言うトンデモ展開になってたみたいですが。相変わらずのゼフィルスクオリティ……。

奴隷に鍛えられる異世界生活2

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「ファスを手放すことはありえません。彼女は僕が守ります」

 

ダンジョンに転移させられたものの、ファスとフクちゃんが居たことで乗り切った主人公の真也。

道中キズアトなんて蔑称を付けられた獣人の女性と出会って、近くにある交易と宿場の町に足を運ぶことになって。

 

冒険者ギルドもあって、そこで登録が出来たのは良かったですけど。

ファスの呪いが解けてエルフという事が明らかになって、彼女を奴隷にしていることを周囲からとやかく言われたりすることもあったり、人の中に行くとどうしたってトラブルが起きますねぇ。

ギルドマスターのおばあちゃんが「先代転移者と結婚した現地人」だったことで、多少の便宜を図ってくれたのは良かった。まぁ「冒険者の基本は『自分の事は自分でやる』」だから、アドバイスとか専属の受付嬢を付けることでトラブルの拡大を抑制する範囲ではありましたけど。

 

交易の町で、キズアトが料理人として働く宿に泊まることを決めたりもしてましたが。

……キズアトなんて呼ばれている通り、彼女の扱いはとても悪かった。料理人として店に貢献はしていたっぽいですけど、女将がねぇ……。

キズアト自身は良い子だったので、真也は奴隷身分である彼女の買取を打診することにして。相場以上の金で頬を叩いて、キズアトを引き取る事には成功。トアという新しい名前を与えて良い関係を築けていたのは良かった。

 

……ギクシャクしそうなものですけど、トア引き取ってからもそのまま普通に宿泊継続していたの神経太くて笑っちゃった。料理人として貢献していた彼女を切り捨てたことで、数日で宿の評判落ちて行ったのは順当ですが、真也たちに文句言ってくる女将も女将だよ……。

真也たちの関係に文句を言ってくる輩も多いですけど、それでもファス達を大事にしようとしているのが良いですね。



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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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