「『龍眼』が怖くなったかの?」
「……少しね。僕が持つには大きすぎるなって……」
「うむ。その気持ちを忘れるな。力に吞み込まれれば、『龍眼』はそなたをい限るであろう。『龍眼』の主として、力に囚われず、使いこなすのじゃ」
第五エリアに到達し、素材調達に励むシロ達。
クランとして『白銀城』を拠点に出来ているのは便利そうですねぇ……。
そんな中、【エルドラド】のトップであるゴールディがギルマスを辞めると言い出してるなんて噂が聞こえてきて。
ゴールディのリアルであるアイドル「金城つきひ」の、ファンクラブみたいな形に実質的にはなってたみたいですし、そのトップが辞めるともなれば揉めるのも止む無し。
元々ゴールディはアイドルであることを伏せていたみたいですけど、身バレしてファンが大量に入り込んだことで、シロとも交流のある【ザナドゥ】の面々とギクシャクした結果分裂騒動が起きたそうで。
そして新規メンバーを取ろうとした際に、既存のメンバーが「公式ファンクラブへ加入しろ」という圧を駆け始めた結果、ゴールディ自身とも溝が生じて距離が出来てしまった、と。
ゴールディ、元々は零細アイドルでアバターがほぼそのままなのも、宣伝の一環だったとか。最初はファンが増えることが嬉しくて、強く出れなかったとか。まぁ、分からないではない部分もありますが。暴走を止めきれなかった部分の責任が、まったくないとは言えないか。
でも、彼女自身は今の過激化してるメンバーを問題視する常識持ってるのは良かったですね。【ザナドゥ】の中に、【エルドラド】に情報を流してる奴がいるっていう話もたまたまシロと鉢合わせた時に教えてくれましたし。
最終的に暴走ファンが暴走しまくって、ゴールディが無関係だと示すために脱退して。ファンギルドだったからあえなく解体に至ったのは……まぁむべなるかな。
宇宙人の血を引き、銀竜に「トゥストラ」認定されたシロが、竜たちの戦いを描いたタペストリーを見て冷や汗書いてるのはちょっと笑った。竜の王の座を争って百年争っている竜の一匹っぽいって伝承と、そんな奴から認められた上で「同胞にも知らせる」なんて言われたのを思えば笑い事じゃないんですが。
その竜のタペストリー以外にも、エリア攻略に繋がりそうな情報の掛かれたタペストリーを見つけて、実際にその考察をもとに挑んだフィールドでボス討伐に至っているので、なんだかんだ攻略の最前線を走ってますよねクラン【白銀】。
エリア探索してる中で、『魔王の鉄槌(ルシファーズハンマー)』に続く魔王シリーズの武器である『魔王の王笏(ベルフェゴールセプター)』を見つけたりしてますし。
ゲームの方が順調ではありましたが……ミヤビとの縁があることが発覚して、帝国のトップが地球をより注視するようになって。
その動きを見て、宇宙側の陣営も一枚岩ではないために、暴走し始める輩まで出始める始末。
そのため馬鹿が馬鹿やったとき自衛できるよう、シロに『龍眼』のコントロールについてミヤビが教えてくれることに。「自分とは違う自分」のイメージに、リアルなゲームであるデモンズのPCをイメージして投影できる、っていうのは便利ですけど。
まず力の強さを恐れられるシロは、若いながらにちゃんとしてますね。偉い。