気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

HJノベルス

VRMMOはウサギマフラーとともに。8

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「『龍眼』が怖くなったかの?」

「……少しね。僕が持つには大きすぎるなって……」

「うむ。その気持ちを忘れるな。力に吞み込まれれば、『龍眼』はそなたをい限るであろう。『龍眼』の主として、力に囚われず、使いこなすのじゃ」

 

第五エリアに到達し、素材調達に励むシロ達。

クランとして『白銀城』を拠点に出来ているのは便利そうですねぇ……。

そんな中、【エルドラド】のトップであるゴールディがギルマスを辞めると言い出してるなんて噂が聞こえてきて。

 

ゴールディのリアルであるアイドル「金城つきひ」の、ファンクラブみたいな形に実質的にはなってたみたいですし、そのトップが辞めるともなれば揉めるのも止む無し。

元々ゴールディはアイドルであることを伏せていたみたいですけど、身バレしてファンが大量に入り込んだことで、シロとも交流のある【ザナドゥ】の面々とギクシャクした結果分裂騒動が起きたそうで。

そして新規メンバーを取ろうとした際に、既存のメンバーが「公式ファンクラブへ加入しろ」という圧を駆け始めた結果、ゴールディ自身とも溝が生じて距離が出来てしまった、と。

 

ゴールディ、元々は零細アイドルでアバターがほぼそのままなのも、宣伝の一環だったとか。最初はファンが増えることが嬉しくて、強く出れなかったとか。まぁ、分からないではない部分もありますが。暴走を止めきれなかった部分の責任が、まったくないとは言えないか。

でも、彼女自身は今の過激化してるメンバーを問題視する常識持ってるのは良かったですね。【ザナドゥ】の中に、【エルドラド】に情報を流してる奴がいるっていう話もたまたまシロと鉢合わせた時に教えてくれましたし。

最終的に暴走ファンが暴走しまくって、ゴールディが無関係だと示すために脱退して。ファンギルドだったからあえなく解体に至ったのは……まぁむべなるかな。

 

宇宙人の血を引き、銀竜に「トゥストラ」認定されたシロが、竜たちの戦いを描いたタペストリーを見て冷や汗書いてるのはちょっと笑った。竜の王の座を争って百年争っている竜の一匹っぽいって伝承と、そんな奴から認められた上で「同胞にも知らせる」なんて言われたのを思えば笑い事じゃないんですが。

その竜のタペストリー以外にも、エリア攻略に繋がりそうな情報の掛かれたタペストリーを見つけて、実際にその考察をもとに挑んだフィールドでボス討伐に至っているので、なんだかんだ攻略の最前線を走ってますよねクラン【白銀】。

エリア探索してる中で、『魔王の鉄槌(ルシファーズハンマー)』に続く魔王シリーズの武器である『魔王の王笏(ベルフェゴールセプター)』を見つけたりしてますし。

 

ゲームの方が順調ではありましたが……ミヤビとの縁があることが発覚して、帝国のトップが地球をより注視するようになって。

その動きを見て、宇宙側の陣営も一枚岩ではないために、暴走し始める輩まで出始める始末。

そのため馬鹿が馬鹿やったとき自衛できるよう、シロに『龍眼』のコントロールについてミヤビが教えてくれることに。「自分とは違う自分」のイメージに、リアルなゲームであるデモンズのPCをイメージして投影できる、っていうのは便利ですけど。

まず力の強さを恐れられるシロは、若いながらにちゃんとしてますね。偉い。

隻眼錬金剣士のやり直し奇譚1 片目を奪われて廃業間際だと思われた奇人が全てを凌駕するまで

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「諦めろって? お断りだね。視力を奪われたことは百歩譲って許せても、あんな不甲斐ない負け方をして、そのまま終わるなんて絶対にない。俺にとってそれはあり得ないことなんだよ」

 

五年ほど前に、ダンジョンが現れた世界。

そこに挑む探索者にはゲーム的なクラスやステータスが与えられるし、魔法やポーションといったファンタジーアイテムも産出する。

ダンジョンには夢があるが……ステータスの底上げがあっても攻略は容易ではなく、半端な覚悟で踏みこめば命を落とす魔境でもあった。

 

主人公の八代夜一は、そんなダンジョンが誕生した黎明期から踏み込んだ先行組と呼ばれる一人。C級最上位の実力を獲得し、日本で5人目のB級となる有力候補とも目されていた。

しかし、「試練の魔物」と呼ばれるイレギュラーの魔物と遭遇した際に、片目を奪われて戦闘に支障がでるようになってしまった。当時挑んだ仲間も、結婚で引退するものもでてパーティーは解散。

それでも夜一は、試練の魔物の打倒を諦めてはいなかった。近接に特化した剣豪のジョブを乗り換えて、錬成術師と呼ばれる生産系のジョブになって。

父親が経営しているダンジョン関連の事情を行っている会社の特別顧問としての役職を貰い、色々と知識を提供したりしていたようです。

ダンジョン関連のアレコレを扱う関係で、ダンジョンでの実習とかも行っている指導役を務められる人材は結構貴重なのでは。彼を落ちぶれたと見做して馬鹿にしてくる新人もいましたが……まぁ特別馬鹿なの一人だけだったのは安心した。

他の面々は話聞いてくれる、真っ当な社会人多かったですからね……。

 

そうやって指導に赴いた先のダンジョンで、なんの運命の悪戯か自分の眼を奪った試練の魔物と戦う羽目になってしまった夜一。

過去の敗北の際に得た経験と、試練を超えるために積み重ねて来た全てを注いで、試練を一度は超えたのはお見事。……まぁ、その後予想外のパワーアップをしてきて、夜一も死線を潜る羽目になったわけですが。

そうやって強化された試練を超えたことで、これまで以上の力を得たので、上手く使えば影響力を高めることも出来そうです。

……当人は研鑽にばかり目が向いてそうですけど、試練を乗り越えて得た報酬がとんでもなかったり、結果としてダンジョンを一つ崩壊させてしまってバカ議員がちょっかい出してきたりとか、面倒事も同時にやってきたのがなんともですが。



マギカテクニカ~現代最強剣士が征くVRMMO戦刀録~5

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「決まっている、彼等現地人は人間だ」

(略)

「言葉を話し、物を考え、幸福に笑い、悲劇に泣く。俺たちと彼らの間に、違いなどあるものか。血肉でできていようが、データでできていようが――彼らはオレたちと同じ人間だ」

 

聖火の塔に蔓延る悪魔を討伐に来たクオン達。

個の技量でいえばトップクラスなので、戦闘面ではそこまで困ることはなく攻略を進めていましたが。

クオンは相変わらず武人すぎるというか。いろいろ経験が豊富で、「やられると嫌なこと」を想像するのも得意で、本職には及ばずとも簡単な罠なら見つけられるとか、ホントなんでもできるな……。

でも、ゲーム的な発想にはまだまだ疎くて。ロックゴーレム系の魔物を見つけて「生きてる間なら採掘できるから、ただ倒すなんてもったいない!」と緋真に言われているのはちょっと笑えました。

 

クオン、割り切りがかなりはっきりしているというか。度量が広いというか。

現地人たちにハッキリと心を認めていて、だからこそ自分たちと変わらない人間だと公言するのは、ゲームをプレイしているだけの人とは相性は悪そうではありますが。

……実際、NPCもかなりキャラが立っているというか、「生きている」感が強いのは確かなので、どちらかというとクオンの判断は尊重したい派。

 

アルトリウスがクオンの意見も把握しつつ、重要イベントを見つけた彼に噛みついてきた連中に「NPCの信頼度が足りない。だからクエストが受けられない」と分かりやすく言い換えてたのもなんか好きです。

プレイヤー同士の温度差を描きつつ「これがきっかけで変わってくれることを願う」というアルトリウスも良いキャラしてます。

 

NPCの騎士団長から依頼されて、フルレイドのクエストを受注することになったクオン。

同盟に声をかけて乗り込んでましたが……強力な子爵級悪魔を、成長武器のスキルを使いつつも削り切ったのはお見事。

そしてボスを倒して隣国に踏み込んだとたん、重要イベントに遭遇しているので本当に引きが強いな……。

そうやって活躍しまくっているのでクオン達の姿をCMに使っていいか、という打診が来ることにもなって。……師範である彼が、直弟子の誘いを受けてゲームをプレイしているというのが門下に広がることになって。

師範代たちに詰められている明日香は……まぁ、師匠を独占しようとした私欲交じりだったからね、仕方ないね。

神達に拾われた男15

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「……ティガルさん、遺産はありがたく頂きます。メーリアさん、薬の研究は俺が引き継がせていただきます。2人とも、どうか安らかにお眠りください」

 

ついに祖父母が暮らしていたシュルス大樹海へと踏み込んだ竜馬。

対人関係悪化の呪いはそのままなので、ホーリースペースを使って悪影響を遮断ないしは軽減する方向で努力しつつ、大樹海で活動している冒険者たちの拠点に踏み込むことに。

ランク制限が掛けられている危険地帯であるため、新顔が少ないこともあって初回の手続きもほぼ形だけとなってるとかなんとか。

 

とは言え、そこで活動しているだけあって衛兵の眼は確かで。竜馬がここに来るまでにあまり服に汚れも着けていないことから大樹海でも問題なく活動できるだろう、としっかり見抜いていたのは良かったですね。

実際、竜馬より前に来た新顔は腕こそあったものの、樹海という環境に適応できず拠点に辿り着くので限界。帰るにも帰れず、現地で帰路の為の護衛を雇う資金を稼ごうとしている、なんて有様になったりしてるようですし。

 

樹海に適応できてなお絡んでくるバカもいるには居ますが。一応、樹海の奥に進むほど拠点の維持も難しく物資は不足しがちで……そんな場所で活動している連中は訳ありが多かったりする、という治安が悪化していく循環の中に生きている連中だから、という面もあったようですけど。

そういうバカと竜馬は良く会いますね……。同時にSランク冒険者とも遭遇して、なんだかんだ行動を共にすることになったりしてるので、実力者との縁も同時に引いてるので差し引きはまぁプラスか……?

樹海に入る目的だった祖父母の遺産の回収はしっかり果たせましたし、道中で珍しいスライムも発見できた。さらに神々から依頼された、厄介ごとの解決も出来て万々歳の結末だったと言えるでしょう。

シャーロット~とある侍女の城仕え物語~ 下巻

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「昨夜、クリスティナと話し合ったのだよ。シャーロット、我々は君を守ろうと思う」

「陛下……ありがとうございます」

「クリスティナがそなたの母の心情を思いやって泣くのだ。『他人事とは思えない、生まれたばかりのわが子を連れて逃げろといわなければならなかった、その心が切ない』と言ってな」

 

王妃殿下のお茶会に招待されたシャーロット。

実は隣国の前国王夫妻の血を引いている彼女を庇護することを王妃が決めてくれたのは良かったですね。未だに道を決めかねているけれど、ずっと彼女の事を探し続けていた密偵のレオが城に忍び込んでも居ましたし、味方が増えたのは素直にありがたい。

王妃様からシャーロットの実の両親の成婚記念の絵姿を見せてもらって、姿を知ることが出来たりもしましたし、ランシェル王家との縁が出来て良かったですね。

 

シャーロットの祖父母とも再会が出来て……彼らは孫の無事を喜んでくれたし、彼女達からシャーロットの養母の死についても知らされることにはなりましたが。養い親2人の忠義とかも認めてくれていたのも良かった。

とは言え、彼女の抱えている問題が解決したわけではなくて……。長年彼女を追っていたスパイが悩みながらも城に忍び込んだりしているし。

シャーロット、そうでなくても美人で仕事も出来る優良物件なので、式典の為に他国の人員がやってきた時に求婚されたりだとかのトラブルにも見舞われてましたし。

 

……さらには、彼女に執着している隣国の王の忠臣にシャーロットの存在が気付かれてしまって。襲撃を受けることになったりもしてました。

密偵のレオがパンの恩義と言って、暴君ではなくシャーロットの味方をしてくれたのはなんか嬉しかったですね。

そういうトラブルを超える中で、シャーロットが自分の恋心を自覚して行動してくことになるの良かったですし……幸せな結末を迎えられて良かった。

番外編として、密偵レオやバンタース王国で若き王となったイブライムの話も収録されていて、彼らも彼らで幸薄い日々を過ごしてきましたが、そんな中でも幸せを見つけられたのはなによりでした。

クラスメイトの美少女四人に頼まれたので、VRMMO内で専属料理人をはじめました

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「それとこれとは話が別だ。ゲームとはいえ、本職を目指す以上は譲れない」

 

実家が中華料理屋を営んでいる主人公の斗真。

ある日彼は、幼馴染の少女・早紀とそのゲーム仲間でもあるクラスメイトを合わせた美少女4人組から「料理を作って欲しい」と頼まれることに。

VRゲーム「アンノウン・パイオニア・オンライン」……通称UPO

 

先ごろβテストが行われたこのゲームでは、プレイヤーが戦闘職に偏ってしまって……。料理という生産活動に真剣に取り組んでもらうべく、味というパラメーターを実装したそうです。NPC作成のものや食材単体だと生臭かったり青臭かったりするが、しっかりとした腕前を持ったプレイヤーが料理すれば、美味しいものが出来上がる、と。

ゲームでもせっかくなら美味しいものを食べたい4人に頼まれ、βテスターの権利で友人枠で招待してもらってゲームに参加することになって。

まだゲーム序盤という事もあって、公共のレンタルスペースで料理を作ったりしてましたが、その美味しそうな香りだったり手際の良さから、彼の存在は注目を集めていくことになるわけです。

 

実際、この早い段階でβで未発見だったバフ料理の作成に成功したり、称号を獲得したりと、ゲーマー少女4人組からすると予想以上の実績を挙げていくわけです。

一通り調理はこなせるし、ある程度は自身もある。ただ「美味しい料理と金をとれる料理は別」という祖父と父の教えがあって、賄いのように内輪で消費する分ならともかく、自作の料理を交渉材料に使ったりする気が無かったり。

ゲーマーな幼馴染に誘われて参加しているけれど、彼の軸はあくまで「料理人になる」という所にある、という所が特徴的ですかね。真面目なところは美点ではありますが。

 

……しかし、料理という生産に真剣に取り込んでもらいたいから、リアルでの腕を必要とするというのは挑戦的すぎるというか。回復用のポーションとかもまずいみたいですし、味のパラメーターをβ中に実装したのは仕事早いですけど、序盤から不味い料理を食べる必要があるとなると、モチベーションに響くのでは。

チュートリアルエリアとか決めてその範囲の素材ならまだマシとか、逆にしっかり味がするようにして、先のエリアの食材は不味い。そして適正レベルの食材出ないと満腹度の回復量が下がる、とかみたいな仕組みにすれば、一回美味しいものを知ったプレイヤーが不味さに耐えられず「もう一度味のする食事をしたいんじゃー!」と奮起する効果が得られたのではないか、みたいな机上論を考えたりはしました。設定する条件が増えてバグの温床になりそうだから一律設定した方が良いんだろうな、とも思いましたが。

斗真が生産職と交流する中で、改良されたポーションの製法は広まっていきそうですし、作中ではもっと手軽に状況改善していきそうですけどね。

神達に拾われた男14

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「まだ一度だけですが、環境を整備すればここのような土地でも、スライム農法による食糧生産は可能みたいですね(中略)……おそらく僕以外の、普通の人でも再現可能だと思います。労力をかけるだけの利益出るかはわかりませんが、後日ラインハルトさんにも報告して、検証をお願いしましょう」

 

アンデッド巣食う亡霊の街の攻略に、本格的に乗り出した竜馬達。

竜馬が切り出し、ストーンスライムが大きさを祖俺、ライトスライムがコーティングすることでアンデッド対策にしている弾丸とか、リョーマならではの装備が出来てたりして笑った。

スライム研究者な顔もあるリョーマの面目躍如というか。アイアンスライムに鉄鉱石食べさせて鉄を精製する方法とかも見出してるみたいですし、手札が多い。

 

まぁ、スライムの食事の側面もあるから、製鉄とかを事業化するのは実用的ではないと判断してるようです。他にも研究したことがあるし、スライムたちの報酬って面もあるからいいか、と竜馬の研究優先度も低めみたいですしねぇ、

瘴気に侵された土地で、スライムたちの協力を経て通常の芋を栽培してみせたり、テイムしたゴブリンを使っての戦闘での貢献もさることながら、こういう研究方面で状況の改善につなげていくの好きですね。

 

技師として公爵家とのつながりも出来た竜馬ですが……事業が順調すぎたり、その貢献からしっかり報酬を貰っているわけですが。お金が多くて逆に困っているとか。なんなら余分に税金払おうと画策してて、それを予期した公爵様紹介の税務官は「ちゃんと適正金額を徴収すること」を命じられてるってのは、ちょっと笑ってしまった。

 

亡霊攻略は問題なく進んでいましたが、その先で厄介なものを見つけて竜馬が呪いを受けてしまったのは厄介ではありますが。

神々と直ぐ会える竜馬だから、対処できた面もあるので難しい。でも、前世でも苦労してきた竜馬に「人間関係を悪化させる呪い」が付与されてしまったのは、やっぱり苦い顔にはなってしまうな。神々が長期的に治療計画を実施してくれることにはなりましたけど。

死と眠りの女神メルトリーゼとついに対面することになったりしてましたが。メルトリーゼ様のデザイン、好きだなぁ。

シャーロット~とある侍女の城仕え物語~ 上

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「ルーシーさんに無断で小遣い稼ぎをしたとして、『バレたらどうしよう』ってずっとクヨクヨするくらいなら、お金を受け取らずにプレゼントして喜んでもらったほうが、気が楽です」

「ふふふっ。なるほど。シャーロットはそう考えたのね。でも、無料はやめておきなさい。人間はね、無料の物を粗末に扱いがちです(後略)」

 

器量よしの少女シャーロットは、森近くの小屋で両親と仲良く暮らす中で、母から様々な知識や礼法などを教えられ、狩人の父からは森の歩き方などを教わってきた。

彼女は両親と血が繋がっていない捨て子だったが、2人から愛情深く育てられて来た。

ある日その両親が親戚に逢いに行くと手紙を残して家を経ってから消息を絶ち……母の遺した手紙に記されていた通り、仕事を紹介してもらいにとある商会に行くことに。

 

母はシャーロットを王侯貴族には近づけたくなくて、どこかの商会で仕事を見つけて欲しかったみたいですけど。商会の人が両親を亡くした後ではなにかと大変だろう、と気を利かせて給料の良い城の仕事を紹介してくれることになって。

充実した教育を受けていたシャーロットは問題なく侍女の仕事をすることが出来ていましたが。……両親と森の小屋で過ごし、他人と交流した経験の薄かった彼女は、礼儀として男性にも笑顔を維持して会話しており……その結果、勘違いする人物が増えたりするトラブルも。

上司が気の利く人で別の部署に配置換えしてくれたり、実際良い環境で働けていましたね。

 

……途中で視点変更が入って、消息を絶った両親があの日何をしていたのか。

シャーロットを大事に育てていた彼らが何を隠していたのか、というコトについても明らかになっていくわけですが。

実はシャーロットは高貴な生まれながら、親族に命を狙われる可能性があったため、両親に託されて逃げて来たという経歴があったそうで。

……十何年も追跡している人員も登場したりするので、逃げたのは正解だったと言えますけども。

 

土砂崩れに巻き込まれ記憶を失っていた父が、なんとか助けを借りながらも帰還して。シャーロットに事情を伝えることが出来たのは良かったですが。

先述の通りまだ追手が存在している状況で、少しでも味方を増やせればよいなぁという状況でしたが、どうなるやら。

スライム大公と没落令嬢のあんがい幸せな婚約

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「私は、ガブリエルを心から愛しています。たとえ、彼が無一文になろうと、縁を切るつもりはいっさいありません」

 

努力の人であった姉は、婚約者であった第一王子が愛人に傾倒しすぎているのを注意して不興を買い……公の場で婚約破棄を告げられた。

それによってヒロインであるフランセットの実家、ブランシャール公爵家は没落の憂き目にあうわけですが。

その姉は母の実家を頼りに他国へ渡り、そこで別の相手をみつけて幸せになったとかなんとか。フランセットは、しかし姉の婚約破棄から掌を返したように態度を変えた人々を見たことで、社交界というものへの希望を失い、母と姉にはついていかなかった。

そうして父と一緒に母国に残ったわけですが……フランセットの父もまた、社交界で名の知れた変人というか。あちこちに愛人を作って、家に寄り付かない人物だった。

 

荒んでもおかしくない環境に置かれていた彼女ですが、それでも強かに生きて善性を失っていなかったのが良いですね。

父が他所で作った愛人と逃げた、と妻を盗られた形になる商会長から文句を言われて窮地に立つことになっていたフランセットを助けたのが、ガブリエルだった。

彼は、先祖が強大な魔物を倒したことでその地位を与えられた大公の一人だった。ドラゴン、セイレーン、ハルピュイア、オーガ、トレント、フェンリルと錚々たるメンバーが揃う中にスライムが紛れ込んでいるの面白かったですね。

 

まぁ実際水たまりに擬態しているスライムが生息している湖水地帯とか、かなりの死地になりうる場所ではありますが。

とは言えそれも千年も昔の話。今も大公位は継がれているけれど、ドラゴン大公なんかは王家の中でももっとも剣技が優れたものに送られる名目だけの爵位になったりしていたようですしね。

それで言えば。ガブリエルの住む地方は今なお「住人よりもスライムの方が多い」なんて言われるような状況を保っているの、逆にすごいのでは。……それだけ発展できずにいたとも言えますが。

 

住人の中にもスライムへの忌避感を持っている者もいるみたいですし、ガブリエルはスライム大公としてスライムをテイムして情報を集めたり、それらを活用した領地の発展を画策したりと意欲的な人物だったのはヨシ。

フランセットも王都から地方都市へ赴くことにはなったけれど、その環境を楽しんで自分の知識を用いて発展に寄与しようとしていて、婚約者として良い関係を築けていたのが良かったですね。

それを面白く思わない親族からの横槍とか、娘に面倒事を押し付けてきたフランセット父の真意とか、厄介ごとの方からやってきたりもしてましたが。それらを無事に超えていたのでほっとしました。幸せになって欲しいものです。

VRMMOはウサギマフラーとともに。7

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「相変わらずとんでもないわ、シロちゃんは……。なんで第五エリアに入って早々、大規模イベント戦になんねん……」

「なんというか、流れで?」

「流れが激流すぎるわ」

 

シロが、かつて地球に来たことのあるミヤビが地球人と結婚して生んだ子の末裔であると発覚。

代々伝えられてきた『龍眼』の中に線が見えるコト。それがミヤビの血族として認められる条件で……それを満たしているシロは、帝国においても貴重な存在として認められることに。

 

三巨頭と呼ばれる人物と顔合わせする場所が設けられたり、その縁で帝国のDWOユーザーが増えることになったり。中身入りのNPCである竜と遭遇した時に、シロの存在に気付かれたりと、宇宙側の影響がますます濃くなってきそうな雰囲気は感じる。……元からか!

 

ゲームの方ではシロ達は、一緒にレイドをクリアした面々と怠惰の第五エリアに進出。

そこで帝国関係者から話を聞いて、攻城戦のイベントに乗り出すことになったりしてて、留まるところを知らないな彼は……。

見事そのイベントはクリアしてましたけど。まさかそこが大規模な拠点として使えるようになる報酬がついたユニーククエストだとは。他のギルドからのやっかみが増えそうですねぇ。

攻略に関わったメンバーとギルドが集まったより大規模集団であるクランを結成することになって、怠惰の中でもかなりの戦力ですから下手にちょっかい出されようと対処できそうですけど。

……帝国の間者がシロ見守ったりしてますしね。今回も竜が登場したときに介入してきたし、守護は堅いか。

WEBの更新は続いているんですけど、月一ペースだから8巻はまたしばらく先になりそうですかねぇ……。



プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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