「守るために命を張って、無事に守れた。みんながこうして生きtえ、いま俺の目の前員いてくれてる。……なら公開なんてないさ」
主人公のウォルカは、異世界転生者。
魔法が存在する世界でなら、創作の世界で描かれているようなトンデモ居合を実現できるのではないか、と幼少期から剣の修行に打ち込みまくっていた、修行バカの青年で。
無茶な魔法の使い方をしてるのを見咎めた魔法使いリゼルアルデが師匠になって、彼の剣術に光を見た少女ユリティアだったり、遥か南方にある戦闘部族出身のアトリとパーティを組んで、探索者としての活動を続けていた。
4人とも実力は確かでAランクにまでなった、将来有望な面々だったみたいですが……。
踏破報告が上がったダンジョン「ゴウゼル」へ揃って出向いた際に、奥に潜んでいた真のボスによってパーティは壊滅状態に。
そして、その絶望的な状況に至ってウォルカは自分が転生したのが、彼が前世読んでいたダークファンタジー漫画の世界であり……自分たちは、世界の残酷さを描くために序盤で死ぬモブパーティだったことを思い出すわけです。
元々絵柄は好みだったけれど、作者の癖は合わず……それでも絵柄は好きだから、イラスト集を見るような感じで流し見していたのもあって気付くのが遅れたとか。
……全く本筋に関係ないんですけど、「絵柄は好き。ストーリーは苦手」という割り切りして作品と向き合っているの、良い読者だなって思いました。まぁダークファンタジー世界で、悲劇にありふれているのでクソとか外道作者とか評したりはしてますけど。
思い出した時点でほぼ詰んでいる。
そんな中でウォルカは「どうせ死ぬのなら、死ぬまで足掻いてから死んでも同じ」と覚悟を決めて、足掻いて足掻いて……自分の剣技を一段も二段も向上させて、勝利を掴み取ったわけです。
元より命懸け、死ぬつもりだったウォルカ的には、片目と片足を失って剣士として戦うのには厳しい体になっても、仲間を守り切れただけで満足いく結果ではあったみたいですけど。
元より彼に惹かれて集まったパーティで、自分たちが何も出来ない中彼に負担を強いてしまった状況が、彼女達の心を蝕んでいったわけです。
……まぁ、これは病むよ。それだけの輝きをウォルカは見せたし、心焼かれちゃうよ。
現代日本製のものに比べれば不満点があるとはいえ、車いすもあるし。日常生活を送れる程度の義足なら……質はどうあれ存在する。ウォルカが日常生活を送るだけなら何とかなりそうな状況ではありますけど。
彼が無茶したら師匠は泣くし。彼が見せた剣技の輝きが失われるのが耐えられないユリティアは、及ばぬ自分を責めるし。アトリは彼に近づく障害全て排除しようとするバーサーカーになっているし。
ウォルカの胃が深刻なダメージ受け続けて、それの方が今の彼を苛んでいるのでは。
……いやまぁ、多少落ち着いてから剣を振るおうとしたとき、自分はこんな状態でも剣を捨てられないことに気付いていたり、ウォルカ自身も普通に業が深いタイプなんですよねぇ。ハッピーエンド主義だという彼の奮闘に期待したいところではありますけど……病み度がかなりヤバい段階まで行ってるように見えるので、難易度高そうです。が、頑張れ……。死神倒した君ならあるいは……!