気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

オーバーラップノベルス

不良聖女の巡礼1 追放された最強の少女は世界を救う旅をする

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「私は神を信じていない」

 

孤児院で育った少女リトル・キャロル。

彼女が十五歳になったころ「君は聖女だ」という神官が迎えに来て。

この世界は「瘴気の壁」に囲まれおり、そこから湧き出る魔獣の被害に多くの人が悩まされていた。さらに「瘴気の壁」そのものもどんどん人類生存圏を蝕んでいて……。

そんな「瘴気」に唯一対抗できるのが、聖女だとか。

 

そしてキャロルは迷いつつも神官についていき……聖女が力に覚醒するという日食の日を待つことに。

その間に聖女候補として修練に励み、知識の習熟も怠らなかった。

神の言葉を記した原典によれば、地水火風の四聖女とそれらを導く光の聖女の5人が現れるとされていて……キャロルは光の聖女候補であった。

しかし、彼女に発現したのは女神像を崩壊させる「腐食」の力で……多くの人々は、キャロルは聖女ではなかった。偽りの聖女だったのだ、と彼女を追い出すことに。

 

聖女候補としてお淑やかな振る舞いを身に着けていたけれど、その本質はあくまで孤児時代に培った逞しさに溢れるもので。

人のいる場所から離れようとした結果とは言え、なんかしばらく森に住みついてますしね……強すぎ。

実は彼女が追い出された裏には、彼女をここ良く思っていなかった別の聖女の悪意があったりしたみたいですけど、当人がそこまで気にしてなさそうではある。

キャロルを見出した神官が実は教皇様で、「偽りの聖女」を見つけたことで立場を悪くして、教会の軍部に追い落とされる羽目になってたりするの、影響が大きいなぁ……というか。

「瘴気」という迫った危機を目の前にして内ゲバ出来るなんて、随分とまぁ余裕ぶってますねぇ。

 

キャロルが像を崩壊させたのは「菌糸」を生み出した結果で……「生命」に通じるほかにない奇跡だった。そのことを知ったターナーが、自らの過ちを認められたのは良かったと思いましたけど。

孤児として苦労をしてきて、追放の憂き目を見たキャロルが「神を信じていない」というのはそりゃそうでしょう、という気持ちがある。そこに物申すなら、彼女が聖女候補として学園に居た頃にやっておくべきだったんじゃないかという気持ちがあるので、真相が明らかになったときのキャロルとターナーの論争は、キャロルも感じていた通り「今更」って感じが強かったですねぇ。

 

さて、キャロル追放のために手をまわした、キャロルと同室だった水の聖女マリアベル・デミ。家名を持つ通り、貴族の出ではあったみたいです。

貴族として誉を大事に、困った人を助けるために奔走した父を誇りに思っていた。

しかし、現場の人間としてはよかったが、貴族的な根回しには疎く……ごく潰し貴族に、負債ばかり押し付けられる羽目になった。

そんな父を見ていたことで、聖女となり王と対峙した際に王に任命されたはずの父が忘れられていたことで、歪んでしまったという背景が明かされたのでどんどん憎みにくくなっていったキャラでもありますね。

 

ああいう目を見た子、この瘴気に悩まされた世界では珍しくないんだろうなぁ……と思うと聖女に縋りたくなる人々の気持ちも分かる。

ただ「不良聖女」が誕生してしまって、人々の希望の向く先一つではなくなってますが。それが今後どう影響していくのやら。



不死者の弟子7 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「……ああ、これなら俺は文句ない。決着を付けよう、ナイアロトプ!」

「本当に君は、愚かな異世界転移者だったよ、カンバラ・カナタ。力の差に絶望しながら死ぬがいい!」

 

ロークロアを巡る、カナタ達と上位存在との騒動に決着がつくことになる最終巻。

ナイアロトプ最後の切り札である、封じられた罪人も2人があっけなく討たれ……最後の1人であるゾラスが解き放たれることに。

味方に引き込んだヴェランタは、本気で上位存在と戦う覚悟を決めて……上位存在の存在や「神の見えざる手」がやってきた悪事についてもロークロア内で周知させることに。

 

神々のエンタメであるロークロア世界の住人が、それらの事実を知ることは上位存在になぁなぁで騒動を治めるような温い手を打たせないための、背水の一手でもあって。

カナタやルナエールが特別な戦力であることは間違いないですけど、コトネを筆頭に転生者込みではあれど現地の他の戦力の底上げも同時並行で行っていって。

できる事は全て行った上で、ゾラスとの最終決戦を迎えることに。ヴェランタの最後の備えであったゼロについての情報が明らかになったり、神の尖兵になったゾラスにも世界を憎むだけの過去があったりしたわけですが。

 

それに比べると、まぁ自分で自分の首を絞めて行ったナイアロトプはスペック的には最強の敵でも、最後まで小物だったなぁというか。

まぁ最後まで変節することなく最後までナイアロトプらしく振舞っていったのは一貫してて、そこは認めてもよい。

神々の干渉を排することになったロークロアですが、今後問題が起きるとしても上手くいって欲しいものですね。

カナタが鈍い部分はあったわけですが、ポメラの気持ちの決着とルナエールとの関係への答えを出してくれたのは良かったです。


不死者の弟子6 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「無謀だの、割に合わないだの、おかしな言葉ですね。世界には代わりの利かないものに溢れているんですよ。あなたが平穏の犠牲として切り捨ててきたものの中にも。ヴェランタ、そんんあことさえわからないのならば、あなたはきっと、人を本当に愛したことがないでしょうね」

 

商業都市ポロロックに君臨していたグリード、その裏には「神の見えざる手」の一人ヴェランタの存在があって。

最後カナタの前に種明かしに現れた彼は、カナタの実力を確かめて自分では勝てなくても、「神の見えざる手」のノブナガには勝てないだろう、と安心してました。

実際、ノブナガはカナタよりもレベルが上らしく戦うことになったら苦戦は免れなかったでしょうが……カナタの師匠であるルナエールが、その気配に気づいて本拠地に襲撃をかましてくることになったの、災難というほかない。

 

残っていた「神の見えざる手」三人を相手に終始優位に事を運び、危なげなくとらえてのけたルナエール、強すぎぃ……。

でもカナタには弱いというか。見知らぬ面々の前で事情説明するときに、カナタの服の裾を不安げに握りしめていたり、最終的には赤面してカナタの背に隠れたりして、本当にちょろ可愛いな……。

ロズモンドに「甘ったるい空気」とか「何を見せられておるのだ?」とか言われるのも無理はない。

 

しかし、「神の見えざる手」という上位存在ナイアロトプ達が打てる、常識的な範囲の最後の一手であって……それが打破されたということは、もはやあちらも打つ手を選ばない、という事でもあって。

コントロール可能な配下であった「神の見えざる手」ではなく、厄介過ぎて封印を選んだ罪人3人を解き放つことに。

ナイアロトプ、上位存在ではあるけど下位の神であり、上司に無茶ぶりされている側でもあるし……その上司もまたより上位の存在の以降は無視できない中間管理職的な側面を持っていて。

罪人を解き放つことでロークロアが潰えるとしても、「あの御方」と呼ばれる最上位の存在が興味を持っているカナタ達を巡る一連の騒動に派手な決着を求めたことで、ただ世界を終わらせるなんて興ざめな展開ではなく、イベント盛りだくさんの最終章が開始することに。

 

ヴェランタ達もことここに至っては抵抗することもなく、ロークロア劇場を盛り上げるために配置されていた布石を回収した方が良いとか情報提供や協力をしてくれることに。

カナタ達が一つの布石に四苦八苦している間に、他を任されたルナエールが全ての役割を果たした上で、カナタ達のピンチに駆けつけてきたのスペック高すぎて笑っちゃった。

不死者の弟子5 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「……後悔してるなら、頑張って生き延びて、その後に生き方を改めたらいいんじゃないですか? どう喚いたって、それ以外ないでしょう」

 

「空界の支配者」との戦いを制したカナタ達。

別行動をとっていたロズモンドと、商業都市ポロロックで合流することになり……そこでロズモンドが世話になっていた魔工士メルと出会うことに。

ポロロック、商業都市として栄えているもののその発展ぶりと比例するかのように深い闇もあって。

 

メルがまさにその闇に囚われかけた人物で……。

田舎からポロロックの一等地に店を出せる、という話に釣られて出て来たものの、いざ来て見ればそれらの料金は膨大で。領主傘下のグリード商会が都市内のすべての流通を把握してるので、そこに加入しないとまともに営業できないけど、その看板を借りるために多数の金を預けなくてはならないとか。

2年以内に営業を終えることがあれば、商会の看板に傷をつけたとその預かり金が没収されるとか。マッチポンプで破滅へのジェットコースター作ってるんですよねぇ。

暗黒街と呼ばれるアンタッチャブルな犯罪にまみれた地区まで出来てるみたいですし。

 

事情を知った手前、放っておけないとカナタ達も一枚かむことになったわけですが。

何にしてもメルの才能伸ばしておいた方が良いよな、と彼女もまた霊薬漬けの勉強をすることになっていたのは……まぁお疲れ様ですというか。

4巻の番外編「とある不死者と魔法修行」で、ルナエールに錬金術も叩き込まれて伝承にしか残らない「錬金花」を作り上げたカナタがそれをやってると思うと、目に涙が……メル、強く生きてくれ……。

ロズモンドに「大船どころかドラゴン」と例えられる頼もしさと、霊薬漬けの不安。最終的には頼もしさが勝ちますが、おっかないのは確かですな。

グリード商会のウォンツが売ってきた妨害を蹴散らし、領主グリードが企んでいた計画に巻き込まれつつも、それすらも蹴散らしたカナタは実にいつも通りで安心できましたね。



不死者の弟子4 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「聞いてない! 聞いてない! 聞いてない! こんな化け物がいるなんて聞いてない!」

 

マナラークを襲ったアリスを辛くも撃退したカナタ達。

しかしアリスの言動からナイアロトプの手が伸びていることを察知して、ポメラを鍛えたり、出来ることを進めていくつもりのようです。

実際、上位存在がロークロアをコントロールするために配置している「神の見えざる手」という組織を動かしているので、彼の警戒は正しいのですが。

 

こっそり漫画を描いていた転生者コトネ。密かに書いていた腐女子向けのものまで、前回の騒動で意識不明の状態の時に世に出てしまうトラブルに見舞われたりもしてましたが……。

それを見たらしいロズモンドが、コトネに「続きは出るのか? サインをくれ」と言ってるの、ほのぼのして良かったですね。

 

……その会話してたの、邪竜が現れたとか言う凶報が飛び込んできた中での対策会議だったんですけど。

そうやって警戒が求められた邪竜は、神の見えざる手の配下に過ぎず……カナタに軽く蹴散らされる羽目になったりしていたのは笑えました。

カナタ、ルナエールの薫陶でかなり高スペックにはなってましたが、その際に歪んだ常識もインストールされてるせいで、想定ラインが微妙にずれてるんですよねぇ。

まぁ、結果的に上位存在ナイアロトプに目を付けられ続けているので、ルナエールの行き過ぎた備えも活きているんですが。

 

今回動いた「神の見えざる手」の一人は「空界の支配者」。

かつてドラゴンとしての禁忌を侵したというその存在についての情報をもとめて、竜人の隠れ里に踏み込むことになったり。

そこでコトネとは違う転移者と鉢合わせることになったりしてましたが……。

常識外れのカナタが課されることになった試練を想定外の方法でクリアしていったの、なんというか真面目に超えて来た先人たちはお疲れ様ですというか。

それで言うと、うっかりルナエールとエンカウントした「神の見えざる手」の一員、大商会を構え経済的な面から干渉していたソピアも、ご愁傷様というほかなかったですけど。口八丁で逃げたのはお見事。カナタ絡むとちょろいからね、ルナエール。

不死者の弟子3 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「いえ、ありがとうございました。ポメラさん。本当に危ないところを助けられました」

 

『神の血エーテル』の材料探しもあって、魔法都市マナラークでの滞在を続けていたカナタ達。

転移者であるところの『軍神の手』ことコトネも彼の事を気にしていて。……同郷だからこそ話せること、というものがやっぱりあって。実はこっそりと漫画を描いているという話だったり。自分が見届けられなかった漫画の完結までの話を聞いたりとか、良い時間を過ごせていたのは良かった。

……心配しているポメラとかに、連絡が滞ったのは反省材料ではありますが。

 

カナタは、精霊契約を行って材料の1つである『精霊樹の雫』を入手できるようになって。

契約した犬型の精霊ウルゾットル、2000レベルもある圧倒的強者だけど甘えん坊でじゃれつくのが好きで、だからこそうっかり相手を殺してしまうこともある。

さらに舐めた相手の魔力を吸うために低レベルだったら、それも危険とか言う一般人的には危険な相手ではあるようです。

 

……カナタからすれば可愛い犬でしかないし、存分に甘えられる相手を見つけたウルゾットル的には良い契約になってたので、まぁ良いか……。

低レベル枠のポメラと、犬が苦手なフィリアはちょっと大変そうでしたけど。何ならポメラはレベリングもあるので、さらに大変そうですけど。それでも「頑張ります」と言えるポメラの明るさには救われますねぇ。

 

今回、ナイアロトプが干渉してカナタ始末の為の策を練っていて……さらには、禁じ手まで使って、カナタが危険な状態に陥った時ポメラが助けてくれたのも良かったです。

……相変わらず遠目で見守っているルナエールに助けられることもありますけど、何やってるんだ度の方が高すぎて……もうあきらめて早めに合流しなよ……それが出来ないからああなってるんですが。

転生悪魔の最強勇者育成計画1

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「誇れアルス。お前は俺たちに相応しい息子なのだと。そして胸を張れ! いつか語っていたお前の夢を、いまここで言ってみろ!」

「…………そうだ。そうだよねお父さん。僕には夢があるんだ。僕は……。僕は、いつかお父さんみたいになりたくて、追いつきたくて……!! だから、だから……!!」

 

地球世界で一度死んで、下級悪魔として転生した主人公。

日本人としての記憶がある彼は、悪魔として二千年を生きる中で下級悪魔とは思えないほどの力を身に着けていた。

「日本人」としての意識がありつつ、「二千年」修行して、「某マンガの完結を見るまで死ねない」と思っているので、時系列がバグるんだよな……。それだけ時間たってれば完結したかどうかは分かってるんじゃないのか。力をつけて人間界へ遊びに行って完結を見届けたい気持ちから出た言葉なのかなぁ、と思うようにしてますが。

 

悪魔は死んでも力が半分になる程度で蘇ることができる。

そんな生態ながら主人公のカキューは二千年もの間しななかった。それで進化する兆しもなかったから、当人は諦めの境地にあったようですけど。

悪魔王の供述を見るに種族的に進化ってのは有り得るみたいで、あと一万年もあれば自分に届きうると感じていたとか。悪魔王がバカ騒ぎした時に叩きのめしに来る神様からも認識されていたり、カキュー自身の評価よりも強いんでしょうねぇ……。

 

神と悪魔王の戦いに巻き込まれた結果、次元の穴に飲み込まれて異世界に辿り着いたカキュー。

異世界にも神々の世界と悪魔たちが住む世界は隣り合って存在していたけれど、近づかない事を選んで。人間の世界を飛び回って時折交流を持ったりして遊んでいた模様。

そんなある日。特に深く交流をしていた村が、カキューの悪魔の力の残滓を感じ取った教国の聖騎士小隊によって滅ぼされてしまって……。

実行犯はカキュー自身が鉄槌を下して。ただ一人生き残った赤ん坊を、自分の息子として育てていくことを決めたわけです。

 

教国、暴走した聖騎士が居たり人間至上主義な部分があるみたいで、正直印象は良くないんですけども。

神託を受け取っていて、「勇者」誕生のお告げを受けたり、自国で聖女を擁立したりして、魔王という脅威に備えようとしているのだけは間違いないんですよね。

 

……まぁそんな思惑とは関係ないところで、勇者の少年アルス君はすくすく育って行ったわけですけどね。

カキュー、男手一人で子供を育てるのには限界があると、ダークエルフの女性エルザと契約して妻として迎え入れたり。事情があって奴隷になっていた高位の戦士ガイウスの本懐を遂げさせたうえで、使用人として迎えたり。

カキュー自身のスペックがトンデモないのに、アルスの家族に強者ばかりが集っていってるんですよねぇ。そんな彼らの教育を受けたアルスの常識も、少しずつズレたりはしてるんですけど。

 

概ね善良に育ちつつ、武闘大会に参加した折には敗北を悔しがって泣く年頃の姿を見せてくれたりしてるのは、ホッとしましたね。

カキューの悪魔姿に憧れて、羽や角や尻尾を欲しがったりしてるのはやめておきな……? ってちょっと思いましたが。聖女との繋がりが出来たりもしてるので、今後の成長に期待。

望まぬ不死の冒険者1

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「……お前はここ最近、何かに呪われているかのように、おかしなものに立て続けに遭遇するな?」

 

大陸端にある辺境国家ヤーラン王国のさらに端にある都市マルト。

主人公のレント・ファイナなそこで冒険者として活動していたものの……階級としては長年銅級下位で停滞していた。

面倒見が良く後輩冒険者の世話を焼いたり、こまごまとした依頼を片付けたりで、階級のわりに顔が広く色々な人んい認められている人物ではあったようです。

ただ、そんな彼の目標は冒険者としてトップクラスの神銀級冒険者になることで……その夢に対して、彼の実力は足りていなかった。

 

日々ダンジョンに戻って日銭を稼ぐ。そんなローテーションを繰り返していたある日、彼はダンジョンに見慣れない通路を発見して。

本来ならそんな怪しい場所には踏み込まず逃げるべきだった。しかし、その日の彼は魔が差して奥へと踏み込んでしまい……最高位の魔物「龍」と対面し、殺されてしまうことになって。

 

そこでレント・ファイナの物語は終わるはずだった。

しかしなぜか彼は、骨格だけで動く魔物……スケルトンの姿で復活。「年月や経験を経た魔物は、存在進化と言って上位存在へ変貌することがある」という知識を持っていた彼は、せめてスケルトンよりは人間に近いグールへ進化しようと魔物討伐に勤しむことにして……成功。

 

拙いながらも発声ができるようになったことで、新人冒険者を助けてコミュニケーションを取ることも出来て。

その伝手で服を買ってきてもらったり、一緒に付き添ってもらったりして、ひとまず街に帰れるくらいの状況にはなって。ただ、それでも冒険者ギルドに「レント・ファイナ」として顔を出すと討伐対象になってしまう危険性があるため、接触できるのも限られた範囲にはなってましたけど。

少しずつ存在進化したり、縁を増やしたりして望まぬ状況からの脱出を果たそうとしているのが良かったですね。まだまだ先は長そうですけど、めげずに頑張って欲しいものです。

不死者の弟子2 邪神の不興を買って奈落に落とされた俺の英雄譚

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「悔しいではないか。大きな力を前に、ただ逃げ出して故郷を失うなど。せめて、何か我にできる抵抗をしたかったのだ。ここが魔物の手に落ちることに変わりはなくともな。ただ、それだけだ」

「ロズモンドさん……」

「……くだらん感傷だ。口で言うほど、人は非常になりきれんものだな」

 

コキュートスを出て初めて訪問した都市、アーロブルクにおいて邪神官ノーツを撃破したカナタ。

ノーツ自身はレベル400弱、彼が呼び出したゾロフィリアが20004000程度でレベルが変動する存在で……予期せぬ脅威が存在することを知ったカナタが、ポメラのレベル上げをしようとして。

 

領主が邪神官に与していたせいで、領主交代が行われることでギルドが一時停止することや、レベル上げに必要な霊薬の素材を求めると言った理由から、魔法都市マナラークに向かうことを決めたカナタ達。

邪神官ノーツを単独で撃破したカナタの事は知られず、衆目にふれる治療にいそしんでいたポメラの方が聖女として名前が知られることになって。

名が知れることで歓迎してくれる人もいれば、逆に絡んでくる人もいて、プラスマイナスはどっちもどっちって感じですかねぇ……。

 

カナタ目線ではポメラのレベル上げしたそうですけど、魔法抜きでも魔物撃退できて「魔法要りますかね……」状態になっていたり、Aランクでも三桁レベルを持ってない状況を見ると、明らかに過剰だと思うんだけどなぁ……。

まぁ邪神側からの介入によって魔物があふれかえる「モンスターパレード」とかも発生してしまったりしてますし、いつでもカナタがそばに居られるわけでもないので、ポメラの戦力アップするのは悪い事でもないですけどね。

……1800レベルの幼児フィリアがパーティーにいるのを踏まえると、だいたいの事に対処できそうですけどねぇ。

 

カナタの求める素材は、コキュートスと言うかルナエール基準に底上げされていて一般に優秀とされるものでも物足りなくて。素材調達の部分でフィリアの性質にとって助けられる場面とかもあったので、本当に自分たちだけで大体解消できそうなんだよなぁ。

ストーカー状態で付かず離れず見守っているルナエールもいるし、邪神側にも制限がある状況だと、わりとカナタ達が優位なのでは……?



不死者の弟子1 邪神の不興を買って奈落に落とされた俺の英雄譚

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「師匠、ありがとうございます!」

「……その呼び方は、少し慣れませんね、まあ、どう呼ぼうともあなたの自由ですが」

 

神々のエンターテイメントの会場として作られた、剣と魔法の世界ロークロア。

特殊なスキルを持たせた異世界人を送り込んで、その行動を眺めることで楽しんでいるようでしたが。

主人公のカナタも鑑賞するために、邪神ナイアロトプに引き込まれ異世界に送り込まれることになったわけですが。

神様目線では天涯孤独だしちょうどいいや! って感じだったみたいですが。カナタは飼っている猫が心残りだから帰してくれ、と懇願し……神の不興を買うことになって。

 

最低限異世界言語のスキルと、ステータスチェックだけはつけてやるけど、チートスキルは無しで、『地獄の迷宮(コキュートス)』というロークロアでも危険な場所に送り込まれてしまうことに。

何もなければカナタはそのまま死んでいたでしょうけど……。

彼は運よく、コキュートス内部で生活していた人間嫌いを自称するリッチの女性、ルナエールに出会い保護されることに。

 

過去に様々な経験をしたことと、不死者になってしまったから距離を取るべきだという意識から、ルナエールはカナタと一線を引こうとはするんですが。

それはそれとして、人がいい部分もあるんですよね。カナタに修行をつけて、外の世界でも生きていけるようにサポートしてくれましたし。

……最初は早く終わらせようとしていたはずが、カナタとの時間が心地よくなって、当初は100レベルまで行けばいいでしょうと言っていたはずが、「やっぱりもっと強くなった方が良いですよ」と言って、修行の密度上げてますし。

 

それでも課題を全部超えたカナタを、最後には送り出すことになるんですけど。

……そうしたらそうしたで、気になりまくってるの微笑ましいなぁって思います。ルナエールさん、ポンコツな部分も含めて可愛い。

長年コキュートスで暮らしていたルナエールから、過剰なトレーニングを受けた結果カナタの認識もだいぶ歪んでいて、意図せず地上で大暴れすることになってるのが笑えますね。

 

カナタが常識に気付けそうなシーンがありつつ、スルーしてる鈍感さがあっておいおい、ってなる場面もありますけど。

地上で常識的な仲間ポメラと出会って、彼女が適度にツッコミ入れてくれるのが笑える。

カナタが特異点となってロークロアの世界を動くことで、エンターテイメントように邪神サイドが仕込んだネタが、予期せず回収されてしまう事態も起きて、あちら側から介入がありそうなのが不安材料ではあるか。



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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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