旧版アリアンロッドのサプリメント。
エリンディル大陸における伝承をまとめた1冊。実に72編も掲載されているとか。
伝承によって世界の背景というか設定とかが掘り下げられたうえ、ネタになりそうなデータがこれでもかと追加されて夢が広がりますね。
こういう伝説を見るとそれを用いたシナリオとか考えてみたくなります。
伝説データには色々と種類がありますね。
創世の神様たちの残した遺産を取り扱ったもの。
伝承にある動物の王たちに纏わるもの。
パーソナリティとして掲載されているような人物たちが過去に成し遂げた偉業の話と、それに基づいた、あるいは類似した状況を想定したデータなどなど。
呪われた騎士が魔族を倒して呪いを解いたってエピソードがあれば『アンチカース』っていう呪いを受けている状態を表すデータが付くわけですな。
実際にレジェンドデータ使っているリプレイもありましたし、クラン=ベルの風雲児とかどこかで聞いたことあるような人物の逸話も載っていたりと中々面白い。
個人的に気に入ったのは「審判者の失意」、「防人の"しるし"」、「武芸者の矜持」、「伝説の弓術」、「ロクペルの首級術」、「陰の森の"カルロッタ"」とそのあたりですかね。
まぁ、その伝説を実際に参考するもよし、噂だとするも良し、というのは、TRPGにおけるGMの采配の自由度に委ねられているわけですが。
そしてそんなGM用に、裏設定とでも言いますが、伝説の裏事情が明かされてもいるわけで、GMセクションを読むのも中々乙です。
あとは、リプレイのデータも掲載されていますね。キャラとかストーリーの紹介とかでPCが使える実データとして何かが乗っているわけではないですが。
巻末にはキャンペーンシナリオ『第3次ギルマン戦争』の1話と2話のシナリオ、そして3話のシナリオフックが掲載されています。
3話だけがフックなのは、2話の結末で導入とか展開が代わってくるからですね。
レジェンドデータも絡んでくるシナリオになっているので、中々いい感じでした。