「この世界には誰も知らない宇宙がまだ山ほどある。俺は誰よりも先にそこに行って何があるのか見てみたい。それだけだ」
1巻はどちらかと言えば、ジャスミンがどれだけ飛び抜けているのかを深掘りしていくエピソードが多かったと思うんですよね。
海賊王と呼ばれるキングとダイアナのコンビを宇宙で補足してのけたり、それを可能にするオンリーワンの専用機を作らせていたり。セントラルに設置されたゼウスと仲良しだったり、軍隊に所属していた過去と信奉者がいることなどなど。
そんな彼女のパワーに負けずついていけるケリーも、並大抵の人ではないんですが。……海賊王と呼ばれるだけの理由があるのだ、と示してくれるエピソードが描かれてて好きです。
副総帥の業務として、ジャスミンと敵対している幹部の会社の視察に言った時。辺境で行われているという開発、そんなものは行われていなかった、と長い宇宙生活の経験から指摘したりしてますし。終盤の「門」を跳ぶシーンが、本当に好きなんですよねぇ。
「門」という、長距離を繋ぐ移動手段。自然現象であり、安定していないと通行できない場所であり、閉鎖した先で自社の船が音信不通になったと聞いたジャスミンが、専用機で捜索に行ってましたが。
総帥のフットワークが軽すぎてびっくりするし……その専用機に、いつから潜んでたか分からない爆弾が仕込まれていたというんだから、財閥の闇を感じますね。
ジャスミンを救助するために、ケリーが財閥の船《クーア・キングダム》をしばらく預けてくれないか、と船長に確認を取ってからが本当に好き。
その直前の夫婦喧嘩のシーンとかも良いんですけど。ジャスミン本当に強い女性で、魅力的です。申請済みの門なら跳んでも良いよな、とか言っちゃうケリーの強かな部分も好き。