「いつか分かると言ってくれた。嘆くなって。分かる時が、わたしにも先があるって、信じてくれた」
(略)
「だからもう、暗い場所には戻らない。わたしは、帰る……わたしのこれからを信じてくれた人のところに」
保護された溜那は、それは大事にされているみたいですけど。
……これまで何も持っていなかったからこそ、大事にされることに戸惑いを覚えて。そんな彼女を信じて、大切にしてくれる甚夜と出会えたのは本当に良かったなぁと思いました。
今回、甚夜がなぜ赤瀬の家で使用人をしているのか明かされる過去編もありましたが。
希美子の父である充知とのやり取りが結構好きですねぇ。
夜遊びしていた青年が怪異に遭遇し、甚夜に助けられ……しかし、その夜に姿を消した友人がいて。別の友人と捜索に繰り出してみれば、人食いとなった南雲と出くわすっていうんだから、運が悪いにもほどがある気もしますが。
甚夜との縁が出来て生き延びたうえ、自分の娘の守護を頼めることにつながるんだから、こう意外と持ってる説もある。
最初に出会ったときは去ってしまったけど、その時に果たされなかった約束を口実にして駄目元だろうと呼びかけるシーンとか良いですよね……。
格好良さでいうと、芳彦くんもなかなか。
吉隠の策略に囚われてしまった彼でしたけど、その状況下で出来ることをしていましたし。「はい。僕はちゃんと選びました」って言うあり方が、本当に良い。
戦闘能力こそありませんけど今回南雲に与した、「鬼」という種族としての在り方に迷い続けていた井槌や偽久に比べると、覚悟の決まり方がすごいですよね。
強制的に終わりを区切られたから、というのもあるとは思いますけど。
甚夜がこれまでの積み重ねを経て、南雲叡善を打倒したのは良かったですが。
吉隠に逃げられたのだけが痛いというか。愉快犯が面倒なアイテム持って行ったのがなぁ……。