気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

角川文庫

つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語

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「悪くはない。でも、損なわれるものはある」
「何が、損なわれるんです?」
「私の我儘が。きっと、もっとも鋭利な一欠片が、僅かに削れて丸くなる」
「天才が――」
小林の表情は乏しい。
だが声が震えていた。感情的に。
「天才が、凡人に歩み寄らないでください」


作家と編集者の会話によって、幽霊にまつわる謎を解く物語、第2弾。
前回、2人に助けられた、小暮井ユキは大学に進学。
そこで聞いた幽霊の噂を、徒然喫茶に持ち込む。
作家と編集者の重い過去が少しずつ見えてきましたね。

演劇サークル「ラバーグラス」。
ある劇の練習を始めてから、幽霊の目撃情報が多発しているとのこと。
それは、このサークルに在籍していた先人が残した、シーンごとにバラバラになった、特殊な台本だった。
一人の才能ある人間に率いられて結成されたサークルは、その人物が亡くなることによって衰退した。
その人物が残した台本。
幽霊の謎と、台本の謎。二つが同時進行というよりは、色々と絡まっている感じですね。

前回は、何人かの幽霊と、それぞれの事件を扱いつつ、最終的に小暮井ユキの物語としてまとまったわけですが。
今回は、新しく出てきた幽霊、レイニーとラバーグラスの話に終始したかなー。
前みたいに別の幽霊がいて、その謎を解いているうちに最後の謎まで推理するという感じではない。
なぜか実際舞台に立ってますしね。
作家と編集者の過去について描かれていたりもしましたけど。

あとはレイニーが一体何を考えているのか、が気になる処。
十一年も前から後継者を探しているレイニー。
今回は、ラバーグラスの創始者、宵野ランの話であり、レイニーの話もありました。
心酔したファンっていうのは、時に恐ろしいものですね。
そして、今なお残りレイニー。紫の指先ともなんか関わってそうですが。
続きは3月予定だとか。楽しみですねー。


つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない

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「バッドエンドなんてありふれているさ。現実にも、物語にもな」
「だとしても、ですよ。もし仮にこの世界が、当然のようにバッドエンドで満ちているのだとしても、です」
雨坂は目を細めた。
「そんな結末、認められるはずがない。小説家というのはね、この世にささやかな希望をみつけるため、物語を創るのです」


気に入っている「サクラダリセット」の筆者の新作と言うだけで買う価値はある。
中々面白かったですよ。

「徒然珈琲」には二人の探偵がいる。
元編集者で、お菓子作りが趣味の佐々波。
天才的な作家だが、いつも眠たげな雨坂。
2人とも青年~中年あたりの男性ですが、腐れ縁で分かり合っている感じが、結構楽しい。

ある謎があるとき、彼らは、互いの本文を全うする。
つまり、編集者と作家というそれを。

「坂道を上る、同じワンピースを着た二人の女性について」
と、グリーンジャケットが言った。
「貴方なら、どんな物語を想像しますか?」
(略)
「じゃあ始めよう、ストーリーテラー。お前はどんな物語を創った?」


と、プロローグから少し引用しましたが。
こんな感じで会話が始まって、作家が話の筋を語る。
編集者は、展開に違和感があるとか、いろいろ突っ込んで質問し、それに作家が応えていくという流れ。
本当に、一つの話を作っていくかのように、謎を解いていくっていうのは中々面白いと思いましたよ。

ただまぁ、あらすじで誤解されそうというか、びっくりネタで、幽霊が出てくるのは注意、かなぁ。
日常系ミステリなのかと思っていたら、幽霊の話になっていて少し驚いた。
作者の持ち味の、優しい結末、透き通った世界、そういったものは健在なようで、個人的には楽しく読みましたけどね。

元編集者と、作家の話がするすると流れるように進んでいくので、読みやすかったかなー。
途中で別行動したりしていますが、結局最後には合流するっていうのもいい感じ。
続刊も決まっているようで、二人が追い求めるものがどんな結末へとつながるのかが楽しみ。

 
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ちゃか

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